映画「ジェニイの肖像」ネタバレあらすじ結末と感想

ジェニイの肖像の紹介:1947年アメリカ映画。ロバート・ネイサンの同名小説に基づくファンタジー映画の佳作。製作は当時のハリウッドタイクーンのひとりだったデヴィッド・O・セルズニック(「風と共に去りぬ」)。主演を務めているのは、後にセルズニックと結婚するジェニファー・ジョーンズ。
監督:ウィリアム・ディターレ 出演:ジェニファー・ジョーンズ(ジェニー・アップルトン)、ジョゼフ・コットン(イーベン・アダムス)、エセル・バリモア(ミス・スピニー)、リリアン・ギッシュ(尼僧)、セシル・ケラウェイ(マシューズ)、ほか

映画「ジェニイの肖像」解説

この解説記事には映画「ジェニイの肖像」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

それは1934年冬のニューヨーク。貧しい画家であるイーベン・アダムスは今日も自分の絵をマシューズ&スピニー画廊に売り込みに来ますが、かろうじて花の絵が1枚売れただけです。それでも気持ちが軽くなってセントラルパークを歩いていると、ベンチの上に小さな荷物が置かれていました。イーベンがそれを取り上げると、「それは私のよ」と少女が近づいてきます。彼女の名前はジェニー・アップルトン。人懐っこい彼女はイーベンに色々と話しかけてきます。両親は芸人で、ハマースタインズ・ビクトリア劇場で綱渡りをしているとのこと。しかし、その劇場は何十年も前に閉鎖されて今はなく、イーベンは不思議に思います。イーベンが画家だと知ると、ジェニーはその絵を見たがりました。イーベンがケープ・コッドの絵を見せると、ジェニーはなぜかひどく怯えた様子になります。イーベンは彼女と別れますが、荷物を返すのを忘れたことに気づきます。中を開けてみるとそこにはシルクのスカーフが入っていました。

ジェニーに惹かれるものを覚えたイーベンは、彼女の肖像を描き始めます。それを再び画廊に持っていくと、経営者たちがすっかり気に入り、25ドルで買い取ってくれました。さらに友達のおかげで酒場の壁画を描く仕事も得ることができ、イーベンの意気は上がります。セントラルパークへ出かけたイーベンは再びジェニーに遭遇。驚くべきことに彼女は少女から大人の女性に変わっていました。アイススケートをした後、カフェで語らう二人。土曜日にデートをする約束をしますが、待ち合わせの場所にジェニーは現れませんでした。

ジェニーへの思いを募らせるイーベンはハマースタインズ・ビクトリア劇場の跡地へ行き、昔そこで芸人をしていたピートという老人と出会います。彼から衣装係だった女性を紹介され、その住所を訪ねると、そこで幼いジェニーの写真を見ることができました。両親が事故死した後、行方知れずになっているということです。自分が知り合ったジェニーが幽霊のような不思議な存在だということに気づくイーベンですが、それでもその恋慕の情は募るばかりです。

やがて彼はその気持ちをバネに本格的なジェニーの肖像の制作に没頭。するとその思いが通じたのか、自分の部屋に突然ジェニーが現れます。何日も彼女とともに過ごすうち、ようやくジェニーの肖像は完成。しかし、それを待っていたかのようにジェニーはまたイーベンの前から姿を消します。彼女とまた会いたい気持ちに駆られたイーベンは必死にジェニーの行方を捜索。そして彼女がケープ・コッドの絵に怯えたことを思い出し、嵐の夜にケープ・コッドの灯台へ向かいます。そこで待つうちジェニーが姿を見せますが、大波が灯台を襲いました。波に飲み込まれたイーベンは彼女の姿を見失い、地元の漁民に助けられます。これまで見てきたジェニーは結局幻だったのかと落胆した時、ジェニーのシルクのスカーフが遭難現場に落ちていたことを教えられます。確かに彼女は実在したと確信し、イーベンのジェニーへの妄執はやっと消え去るのでした。

以上、映画「ジェニイの肖像」のあらすじと結末でした。

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