映画「沈黙の達人」ネタバレあらすじ結末と感想

沈黙の達人の紹介:2018年アメリカ映画。スティーヴン・セガール主演の『沈黙シリーズ』第46作となるアクション作品です。本作はセガール自ら脚本・プロデュースを手がけ、カンフーの達人である元特殊部隊の鍼灸師が不思議な力を持つ少女を救うため仲間たちと共に犯罪組織に戦いを挑む様を描きます。
監督:マチュー・ウェシュラー 脚本・プロデュース:スティーヴン・セガール 出演者:スティーヴン・セガール(アックス)、ルイス・ファン(チェン・マン)、ユー・カン(キューマム)、チャ・リー・ユン(ブラック・クロウ・マ)、ティン・スー(タラ)、ジェームス・P・ベネット(カカシ)、セルゲイ・バデューク(ハリウッド)、ルーディー・ヤングブロッド(異端児)、カート・インカラット(イン・イン)、ファン・メイシェン(師父)、Bayra Bela(助手サン)、チョウ・ウェンリャン、プレオパン・パンイム(ウァイ)、ヴィタヤ・パンスリンガム(ウァイの父)、Bui Thi Thanh Le(従業員メイリン)、Sonny Chatwiriyachai(タラの父ユエン)、Tanapol Chuksrida(ミスター・ホウ)ほか

映画「沈黙の達人」解説

この解説記事には映画「沈黙の達人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

アックスはかつて傭兵部隊のリーダーとして犯罪組織と戦っていました。しかし、ある作戦の際、人質が既に殺害されているのを目の当たりにしたアックスは正義のためとはいえ人を殺し続ける日々に疲れ果て、傭兵稼業から足を洗ってタイの国境に近い密林地帯の村に移り住みました。

一生をかけてこれまでの罪を償う決心をしたアックスは仏教に帰依し、診療所を開いて鍼灸師として町の人々の治療に携わっていました。しかし、村に近い町・モンラは犯罪で溢れかえっていました。人身売買の利益は年間約320億ドル、希少動物の違法取り引きでは年間約230億ドル、麻薬の密売では約1500億ドルという金が流れていました。

傭兵を引退してから3年が経ち、アックスはすっかり村の人々から慕われる存在になっていました。その一方で、アックスはかつて一緒にカンフーの修行をした仲であるカラオケ店チェーン経営者のチェン・マンと親交を深めていました。アックスとチェンのお手合わせは診療所の看護師や村の子どもたちを魅了しました。

近頃、アックスの診療所にはウァイという名の少年がよく出入りしていました。ウァイの家は貧しく、彼の父は酒浸りの日々を送っていました。ウァイはアックスが村に来る前に姉をモンラの犯罪組織に誘拐され、母を殺されていたのです。

その夜、アックスの夢枕に白い服をまとった謎の少女が現れました。少女はアックスに「運命があなたを待っている」と告げると姿を消していきました。

ある日。モンラでは、地元の人身売買組織のボス・キューマムの右腕であるブラック・クロウ・マのもとに、組織から借金をしたギャンブラーが連れてこられていました。ギャンブラーはとある村には予知や癒しといった超能力を持つという少女・タラがいるという情報を提供して命乞いしました。キューマムは日光の下には出られないという難病を抱えており、病を治すためにもタラを連れてくるようクロウに命じました。

雨の日。外出したアックスの前に「俺と命を賭けて勝負しろ」という男が現れました。男は名をチョウ・ウェンリャンといい、受けて立ったアックスはチョウを軽くあしらいました。チョウはアックスが親戚の店の商品をタダでもらっていると思い込んで逆恨みしていたのですが、アックスはチョウの親戚とは長い付き合いであり、孫娘の学費もアックスが負担していたのです。義理堅い親戚はアックスに無償で食料を提供し続けており、誤解が解けたチョウはアックスに弟子入りを志願しました。チョウはアックスの診療所で働くことになりました。

クロウは手下をタラの住む村に送り込み、タラを誘拐しました。一方、診察中のアックスのもとにウァイが現れ、父が自殺を図ろうとしていると助けを求めてきました。アックスはチョウたちと共にウァイの父のもとに向かい、息子のためにも生きるべきだと説得しました。ウァイの父は自殺を思い留まり、ウァイに泣いて謝罪しました。

その夜、アックスの夢枕にまたもや白い服の少女が現れました。少女は自らを無でもあり有でもある空虚な存在で生まれもせず死ぬこともない光の真如だと語り、アックスには人を救う使命があると説きました。

翌日、診察終了後のアックスのもとに、タラの父であるユエンがやってきました。ユエンはタラがキューマム一味に誘拐されたこと、ユエンの村には他にもキューマムに誘拐された少女たちがいることを訴えました。アックスは必ずタラを助けると約束しました。

アックスはユエンからタラの写真を見せられました。タラはアックスの夢枕に現れた少女とそっくりでした。

アックスは幼い子供を誘拐しようとしていた悪党二人組を叩きのめしました。一方、チェンは従業員のメイリンから金品を盗まれたと主張する顧客のミスター・ホウの仲裁にあたっていました。メイリンは白血病を患う娘のために金品を盗んだことを認め、チェンは「もう盗みはするな。娘の良いお手本になるんだ」と医療費を負担することにしました。

アックスはチェンのもとを訪れ、タラ救出への協力を要請しました。続けてアックスは傭兵時代の仲間たちを招集しました。今は借金取り立てをしているカカシと異端児、地元警察の刑事となった紅一点のイン・イン、今はクラブを経営している古参兵のハリウッドです。

アックスとチェンはカンフーの師匠である師父のもとを訪れました。師父は実はチェンの実父であることを打ち明け、ずっとこの日を待っていたと語りました。

アックス、チェン、カカシ、異端児、イン・イン、ハリウッドは作戦会議を開きました。タラが監禁されている場所はキューマムの経営するクラブの地下であり、チェンはクラブの内外での援護、異端児は店内の見取り図の入手、イン・インは客としての潜入、カカシとハリウッドは必要な武器の調達をすることが決まりました。

アックスとチェンはクロウに目をつけました。クロウはかつてアックスやチェンと同じ一門でカンフーを学んだ者であり、アックスはキューマム一味の内情を知るクロウを味方につけようと考えました。

アックスはモンラの薬局でクロウと接触しました。アックスはクロウがキューマムの忠実な僕か、それとも隙あらば下剋上を狙っているのか見極めようとしたのです。しかし、クロウはキューマムへの忠誠を選び、アックスに襲い掛かってきましたが、アックスは圧倒的な強さでクロウをねじ伏せました。

キューマムは武術の達人であり、部下たちは武装しているとの情報を得たアックスたちはクラブに突入する作戦を実行に移しました。イン・インはセクシーなドレス姿で店内に潜入し、内部の構造や警備の者たちの配置状況などを調べ尽くしました。その頃、キューマムはタラがなかなか言うことを聞かないことから、タラの村の者たちを人質に取って無理やり服従させようとしていました。

アックスとハリウッドはイン・インが入手した、店内を自由に行き来できるフリーパスを使って店内に潜入しました。イン・インとカカシはチェンがあらかじめ潜入させていた弟子の手引きで裏口から潜入しました。異端児は屋上から狙撃体制を取りました。チェンは客に扮して店内に入りました。

アックスとハリウッドは警備の者を射殺、銃声を合図に仲間たちも行動を開始しました。店内は銃撃戦となり、仲間たちは隠し持った拳銃やマシンガンなどで次々とキューマム一味を血祭りにあげていきました。

チェンはクロウを一騎打ちの末に倒しました。アックスは単身でクラブの奥にあるキューマムの秘密のアジトに乗り込み、キューマムと戦い始めました。アックスの圧倒的な強さに追い込まれたキューマムは刀を手にしましたが、アックスはあっさり刀を奪うとキューマムを斬り殺しました。

アックスと仲間たちはタラを無事救い出すことに成功しました。その後、アックスはチェンやカンフー関係者を集めて会合を開きました。アックスは古くから受け継がれてきた伝統や倫理感、道徳心が急速に失われつつあり、キューマムのように武道を悪事に使う者が多くなったことに危機感を示しました。チェンはカンフーへの愛を持ち続けることの重要性を説き、アックスはカンフーの伝統を守り続け、罪のない貧しき人々のために使うべきだと呼びかけました。

アックスはギターを手にし、バンドを率いてクラブで演奏しました。チェンや仲間たちは踊って楽しみました。

以上、映画「沈黙の達人」のあらすじと結末でした。

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