映画「しん次元! クレヨンしんちゃん 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」ネタバレあらすじ結末と感想

しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜の紹介:2023年日本映画。臼井儀人原作の国民的漫画『クレヨンしんちゃん』の劇場版第31作にしてシリーズ初となるフル3DCGアニメーション作品です。本作は原作の単行本第26巻に収録された番外編『しんのすけ・ひまわりのエスパー兄妹』をベースとしており、不幸のどん底なあまりに暗黒の超能力を得た青年と光の超能力を得たしんちゃんの戦いを描きます。監督と脚本は本作がアニメーション作品初監督となる大根仁が務め、ゲスト声優として松坂桃李、お笑いコンビ「空気階段」の水田かたまりと鈴木もぐら、『鬼滅の刃』の鬼頭明里が出演しています。
監督・脚本:大根仁 原作:臼井儀人 声優:小林由美子(野原しんのすけ)、ならはしみき(野原みさえ)、森川智之(野原ひろし)、こおろぎさとみ(野原ひまわり)、真柴摩利(風間トオル/シロ)、林玉緒(桜田ネネ)、一龍斎貞友(佐藤マサオ)、佐藤智恵(ボーちゃん)、森田順平(園長先生)、七緒はるひ(よしなが先生)、富沢美智恵(まつざか先生)、三石琴乃(上尾先生)、大塚智子(チーター)、永澤菜教(ひとし)、瀧本富士子(てるのぶ)、阪口大助(ヨシりん)、大本眞基子(ミッチー)、中村大樹(川口)、丹羽正人(モンスター非理谷)、塙真奈美(幼少期の非理谷充)、渡辺理沙(萌美)、山口智広(イケメン)、松尾佳子(ジョン(ライブラリ出演))、掛川裕彦(エンゾG(ライブラリ出演))、鬼頭明里(深谷ネギコ)、鈴木もぐら(池袋教授)、水川かたまり(ヌスットラダマス2世)、松坂桃李(非理谷充)ほか

映画「しん次元! クレヨンしんちゃん 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」解説

この解説記事には映画「しん次元! クレヨンしんちゃん 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

かつて大予言者ノストラダムスの隣町に住んでいたヌスットラダマスは、「20」と「23」が並ぶ年に天から2つの光が降り、世界に混乱がもたらされるという予言を残しました、そして西暦2023年の現代、宇宙の彼方から白と黒の二つの光が地球に迫ろうとしていました。このことを知った謎の男女二人組は、まさしくヌスットラダマスの予言が現実のものになろうとしていることに動揺を隠せませんでした―――。

―――埼玉県春日部市では、しんちゃんこと野原しんのすけは父・ひろし、母・みさえ、妹・ひまわり、愛犬・シロといつも通りの日常を送っていました。この日もしんちゃんはみさえのブラジャーでふざけ遊び、みさえはしんちゃんを街じゅう追いかけ回していました。明日はしんちゃんの通うふたば幼稚園の運動会の日でした。

その夜。東京・新橋では非理谷充という派遣社員の男がティッシュ配りをしていました。生まれてから何ひとつ良いことのなかった人生を送ってきた非理谷は友達もおらず、周囲からバカにされ続け、就職も安定せず、唯一の生きがいだった推しのアイドルは結婚と引退を発表、まさに踏んだり蹴ったりのまま気がつけば30歳になっていました。

非理谷はガラの悪いサラリーマンに絡まれ、その場に倒れ込みました。たまたま通りかかったひろしは救いの手を差し伸べようとしましたが、見下されたと勘違いした非理谷はひろしの手を振り払ってしまいました。

その後、非理谷は容姿と服装が逃走中の強盗犯と一致していたことから警察に追われる身となってしまい、逃げ回っているうちに空から降り注いだ黒い光が非理谷に直撃しました。その瞬間、非理谷は超能力を手にしました。追いかけてきた警官たちを倒した非理谷は世界への復讐を決意しました。

同じ頃、春日部の自宅にいたしんちゃんは空から降り注いだ白い光を受けて超能力を得ていました。翌日、運動会に出場したしんちゃんは超能力を駆使してあらゆる種目で大活躍し、応援に駆けつけた野原一家は大喜びしました。

帰宅後、野原一家は手巻き寿司を食べていましたが、そこに「国際エスパー調整委員会」と名乗る男女二人組が訪ねてきました。男は委員会の顧問・池袋教授で、女は委員会の埼玉支部の職員・深谷ネギコでした。池袋と深谷はかねてからヌスットラダマスの予言のふたつの光を調査しており、しんちゃんの得た超能力で世界を救ってほしいと頼んできました。

ヌスットラダマスの予言した黒い光と白い光は「この世の終わりの前兆」とされており、黒い光を浴びた者は超能力を得ると共に負の感情が増大、黒い光の者を止めることができるのは白い光の者、すなわちしんちゃんしかいないというのです。

突然の申し出に乗り気ではなかった野原一家でしたが、ちょうどその頃、非理谷は負の感情を増大させて暴走し、街じゅうで暴れ回っていました。そしてたまたまふたば幼稚園の前を通りがかった非理谷は推していたアイドルが元々は保育士アイドルだったことを思い出し、先生と園児たちを人質にとって立て籠もり事件を起こしました。

野原一家、池袋、深谷はテレビでこの立て籠もり事件の様子を目の当たりにしました。人質の中にはしんちゃん率いる「かすかべ防衛隊」の風間トオル、桜田ネネ、佐藤マサオ、ボーちゃんの姿がありました。

しんちゃんは自分だけ輪の中に入れなかったことを愚痴るなど相変わらずの能天気ぶりでしたが、野原一家、池袋、深谷と共に幼稚園に急ぎました。しんちゃんはテレポーテーションの能力で園内に突入し、非理谷と初めて対峙しつつも何とか人質全員を救い出しました。

警察の追跡から逃げ延びた非理谷の前に、ヌスットラダマスの生まれ変わりを自称するヌスットラダマス2世が現れました。未来のないこの国・日本を滅ぼし、世界を転覆させる野望を抱くヌスットラダマス2世は、自ら率いる悪の組織「令和てんぷく団」に非理谷をスカウトしました。

非理谷は令和てんぷく団のアジトへと連れていかれました。そこでは行き場のない、この世界に絶望した若者たちを集めて負のエネルギーを集めていました。

ヌスットラダマス2世は新型ウイルスの感染拡大、少子化と高齢化、社会保障制度の崩壊など今日の日本が抱える様々な問題を掲げ、こんな国は滅ぼすべきだと主張しました。非理谷はヌスットラダマス2世と手を組み、早速自らの圧倒的な負のエネルギーが凝縮された超能力を提供しました。瞬く間に負のエネルギーは100%まで充填されていきました。

一方の国際エスパー調整委員会もヌスットラダマス2世に対抗すべく、埼玉支部の地下深くで極秘裏に巨大なカンタムロボを完成させていました。カンタムロボを起動させるにはしんちゃんの超能力に加えて、なぜか深田恭子の楽曲「キミノヒトミニコイシテル」が必要でした。

カンタムロボの起動に成功した野原一家や委員会が野原家で手巻き寿司を食べていると、池袋のもとにヌスットラダマス2世から電話がかかってきました。池袋とヌスットラダマス2世は元々は学生時代からの旧友同士でした。ヌスットラダマス2世は池袋に、非理谷は今や更なる暴走を続けて全く手に負えない状況に陥っていることを伝えてきました。

非理谷は巨大化しており、しんちゃんはカンタムロボで出撃しました。カンタムロボと非理谷は激しい死闘を繰り広げましたが、非理谷は圧倒的な強さを誇っており、しんちゃんは深田恭子の「キミノヒトミニコイシテル」をかけていたラジカセを奪われ、カンタムロボは行動不能に追いやられてしまいました。

しんちゃんのピンチを救ったのは、実はあの時しんちゃんと一緒に白い光を浴びて自らも超能力者になっていたひまわりでした。しんちゃんとひまわり兄妹は協力して非理谷に立ち向かい、倒すことに成功しました。しかし、非理谷はこれでは終わらず、更なる暴走と覚醒の末にモンスターへと進化を遂げてしまいました。

カンタムロボは破壊され、一時撤退を試みたしんちゃんはモンスターと化した非理谷の体内に吸収されてしまいました。しんちゃんは怪物の体内で、非理谷の精神世界と邂逅しました。

幼き日の非理谷は両親が共働きでいつも家におらず、ひとり自宅でカンタムロボのアニメを見ながら両親の帰りを待ち続けていました。しんちゃんは非理谷と一緒に遊んであげ、一緒に両親の帰りを待つことにしました。

しんちゃんは非理谷の成長の過程に向き合うこととなりました。非理谷は幼稚園でも小学校でも友達はできず、いつもいじめられていました。しんちゃんは家族からも周囲からも誰からも愛されていなかった非理谷の傍に寄り添い続けました。

非理谷が中学生になった頃、両親が離婚しました。家を飛び出した非理谷はかねてからいじめを受けてきたいじめっ子三人組に襲撃され、暴力を受けてしまいました。しんちゃんは「オラの“仲間”をいじめるな!」といじめっ子たちに立ち向かいましたが、超能力を封じられたしんちゃんはボコボコに叩きのめされてしまいました。

それでも諦めず立ち向かうしんちゃんの様子を、ひまわりは感じ取っていました。ひまわりは透視の能力でひろしとみさえ、池袋、深谷に非理谷の精神世界の様子を見せ、ひろしたちは懸命に「頑張れ!」と呼びかけました。

そんな中、池袋らはヌスットラダマスの予言の中に「悪臭を放つ二つの黒い毒玉」という文言があることを思い出し、これこそがモンスターを倒すためのヒントであると確信しました。ひろしとみさえはひろしの臭い靴下こそが毒玉だと思い、靴下をモンスターの口に放り投げました。しんちゃんと非理谷はそれを使っていじめっ子たちを撃退することに成功しました。

モンスターはしんちゃんを吐き出して消滅し、元の非理谷の姿に戻りました。非理谷は負の感情の暴走から解き放たれており、一連の出来事のことは忘れてしまっていたものの、生まれて初めて自分を“仲間”だと認めてくれたしんちゃんと和解を果たしました。ひろしたちはそんな非理谷に「頑張れ」と声をかけ続けていました。

以上、映画「しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜」のあらすじと結末でした。

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