映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」ネタバレあらすじ結末と感想

映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園の紹介:2021年日本映画。臼井儀人原作の国民的漫画『クレヨンしんちゃん』の劇場版第29作です。本作はシリーズ初の学園を舞台とした本格“風”学園ミステリーとなっており、しんちゃん率いるかすかべ防衛隊が超エリート学園に体験入学することから始まる大騒動を描いています。
監督:髙橋渉 声優:小林由美子(野原しんのすけ)、ならはしみき(野原みさえ)、森川智之(野原ひろし)、こおろぎさとみ(野原ひまわり)、真柴摩利(シロ/風間トオル)、林玉緒(桜田ネネ)、一龍斎貞友(佐藤マサオ)、佐藤智恵(ボーちゃん)、広橋涼(阿月チシオ)、村瀬歩(豆沢サスガ)、山口太郎(学園長)、亀井芳子(脇野スミコ)、齋藤彩夏(ろろ)、稲田徹(番長)、佐久間レイ(オツムン)、玉川砂記子(風間くんのママ)、大西健晴(理科の先生)、水島大宙(増尾)、井口祐一(鈴木)、山本格(バイク不良)、落合福嗣(バイク不良)、花藤蓮(スリッパ不良)、松本健太(コモドドラゴン)、久保田ひかり(赤ちゃんドラゴン)、今泉りおな(赤ちゃんドラゴン)、内匠靖明(冷笑男子生徒)、須藤沙織(応援女子生徒)、村瀬迪与(おはよう男子児童)、橋本結(ヒソヒソ女子生徒)、井之上潤(早歩き男子生徒)、岩端卓也(ボヤキ男子生徒)、内田秀(切実女子生徒)、広瀬世華(冷笑女子生徒)、松尾駿(チョコレートプラネット)(ヨーヨー)、長田庄平(チョコレートプラネット)(給食袋)、フワちゃん(本人役)、仲里依紗(寺盛アゲハ)ほか

映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」解説

この解説記事には映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

しんちゃんこと野原しんのすけ率いる「かすかべ防衛隊」の風間トオルは怪しげなコウモリの格好をした覆面の人物に追われていました。時計塔のようなところに追いつめられた風間君に、覆面の人物は「お前の願い、叶えてやる」と言うなり襲いかかってきました。風間君は思わず「しんのすけ!」と絶叫しました―――。

―――事の発端は、風間君がかすかべ防衛隊の仲間(しんちゃん、桜田ネネ、佐藤マサオ、ボーちゃん)を全寮制の超エリート学園「私立天下統一カスカベ学園」、通称・天カス学園への1週間の体験入学に誘ったことでした。

初日の月曜日。しんちゃんたちは全自動運転のバスに出迎えられ、中から現れたAIのオツムンと対面すると、しんちゃんの両親(野原ひろし・みさえ)らに見送られて出発しました。

風間君は今回の体験入学に並々ならぬ意欲を燃やしていました。この体験入学で良い成績を収めた者は特待生として天カス学園への入学が正式に認められるので、風間君はかすかべ防衛隊全員で好成績を得たいと張り切っていました。

しんちゃんたちを学園で出迎えたのは生徒会長の阿月チシオでした。チシオはかつては陸上スポーツの特待で入学したスーパーエリートでしたが、足の怪我を理由に走れなくなってからは落ちこぼれのクラス・カス組に落とされていました。しんちゃんたちは早速学園の制服に着替え、学園長と対面しました。

天カス学園の成績はポイント制で、入学時に各人それぞれ1000ポイント与えられ、成績のみならず日常の振る舞いなどでもポイントが加算または減点されるというものでした。成績を査定しているのはオツムンであり、生徒たちは些細な喧嘩でもポイントが減らされるため学園は結果として平和が保たれていました。

しんちゃんたちはまずはスーパーエリートが集うクラス・テン組を見学しました。この学校のナンバー1は何と1億ポイントを持つという豆沢サスガで、ナンバー2はギャルの寺盛アゲハでした。ちなみに天カス学園の隅には今は使われていない時計塔があり、そこにはお尻を噛むという正体不明の“吸ケツ鬼”が出るという噂が立っていました。

しんちゃんは体験入学早々おバカな行動でポイントをどんどん下げていきました。しんちゃんたちは学園の購買部でカス組の不良二人組のヨーヨーと給食袋に絡まれましたが、鉄仮面をつけた番長が仲裁に入ったので事なきを得ました。番長の鉄仮面は歴代の番長が代々受け継いできたものであり、現在の番長は33代目ということでした。

学園内には至るところに芸術的なオブジェが置かれていましたが、中にはオブジェではなく実際の生き物も存在していました。生物部の部長・ろろはコモドドラゴンを飼育しており、ボーちゃんはのろろに一目惚れしてしまいました。

火曜日。風間君はオツムンに簡単にポイントを上げられる方法はないかと相談しました。オツムンは「ある」と答えました。

水曜日。ふざけてばかりのしんちゃんは更にポイントを減点されていきました。風間君はしんちゃんにちゃんと勉強しようと呼びかけましたが、しんちゃんは「ここ飽きた」と言い出しました。ブチ切れた風間君はしんちゃんと大喧嘩になってしまい、しんちゃんに絶交を言い渡した風間君はそのまま寮を飛び出してしまいました。風間君はオツムンにエリートになる裏道を教えてくれるよう相談したのち、行方をくらましてしまいました―――。(映画冒頭へとつながる)

―――さすがに風間君のことが心配になったしんちゃんたちは学園内を探し回ったところ、風間君は壊れた時計塔の中で倒れていました。風間君のお尻には噛まれた跡がありました。

木曜日。意識を取り戻した風間君はなぜか究極のおバカに変貌していました。あまりの変わりっぷりに驚いたしんちゃんたちは学園長に風間君は例の吸ケツ鬼にお尻を噛まれたと訴えました。しかし、学園長は吸ケツ鬼の噂を一蹴し、風間君はエリートになれないプレッシャーがあったのではないかと取り合いませんでした。

その時、学園長がすかしッ屁をしました。しんちゃんはすかしッ屁をした人物を見抜いたのを見たチシオはしんちゃんには推理の才能があると見込み、学園長に探偵?楽部の設立許可を求めました。学園長は容認し、しんちゃんたちはチシオと共に「カスカベ探偵倶楽部」を結成しました。

しんちゃんたちとチシオは時計台に風間君を連れて行き、現場検証に臨みました。発見された当時、風間君は全身がずぶ濡れ状態で、時計塔の鐘が鳴っており、近くには風間君が書き残した「33」という文字がありました。

マサオくんは「33」という数字は33代目の番長を指し示しているのではないかと推理し、手がかりを得るため不良グループに潜入捜査することにしました。一方、チシオは「ろろ」と「33」が似ていることからろろに疑いを抱きましたが、調べても決定的な証拠は出ませんでした。

捜査に行き詰ったしんちゃんたちは学園ナンバー1に訊いてみようと、サスガのもとを訪れました。サスガは「33」の謎に関しては応えず、しんちゃんたちはナンバー2のアゲハに訊こうとしましたが、サスガはそれを制し、調べるから明日また来てくれと現場の写真を預かりました。その夜、時計台の鐘が鳴り、しんちゃんたちが駆けつけると現場にはサスガが倒れていました。ボーちゃんはろろが時計塔から逃げる姿を目撃しました。

金曜日。サスガも風間君と同様におバカになっていました。一方、不良グループに潜入していたマサオくんはすっかり番長の男気に惚れ込んでしまっていました。番長は購買部で焼きそばパンを買い占めてはポイントの低い生徒たちに分け与えていたのです。かつては平和でのどかだった学園もポイント制が導入されてからというものエリートだけが優遇されるようになり、ポイントの低い者はすっかり虫けら扱いされるようになってしまっていました。

ボーちゃんはろろに昨晩のことを尋ねましたが、ろろは決して誰にも話すなと忠告しました。その後、ボーちゃんは時計塔に行き、ろろに詰め寄られました。一方、ネネちゃんは足を怪我したはずのチシオが夜にこっそり走る練習をしていたことを知り、不思議に思っていました。

土曜日。しんちゃんはチシオが退学届を忍ばせていたことを知りました。チシオはせっかく両親が学園に入れてくれたのに、もう期待に応えられなくなったと弱音を吐きました。しんちゃんは「とーちゃんが弱音と二日酔いは吐いたら楽になると言ってるぞ」と励ましました。

しんちゃんは担任の脇野スミコ先生に呼び出されました。スミコ先生はしんちゃんに本を読むよう命じましたが、しんちゃんはつい眠ってしまいました。

ろろはボーちゃんに、時計塔で世話をしていたコモドドラゴンの赤ちゃんを見せました。学園長は生き物部のことを快く思っておらず、ろろは周囲に内緒で時計塔でこっそり飼育していたのです。ろろが時計塔に来ていた理由を知ったボーちゃんは思い切って「好きです」と告白しましたが、ろろは人間嫌いを理由に断ってしまいました。ボーちゃんはショックを受けました。

目覚めたしんちゃんはなぜか時計塔にいました。しんちゃんのお尻にはラバーカップが取り付けられており、犯人らしき謎の覆面の人物がラバーカップとコードで繋がれた機械を操作しようとしていました。そこに風間君が現れ、しんちゃんのお尻からラバーカップを外して自分のお尻につけました。風間君のお尻にはまたもや歯型のような跡がつきました。そのため、犯人がスイッチを入れても機械が歯型をつけたのは風間くんのお尻でした。

推理をしていたネネちゃんは、犯行現場は時計塔ではないことを見破りました。時計塔と思われていた場所は実は図書館であり、時計塔の内部が描かれたカーテンが貼られていただけでした。その時、覆面の人物は風間君を連れて逃げ出しました。覆面の人物は学園内を逃げ回り、最後は時計塔に到着しました。

しんちゃんは覆面の人物に追いつき、揉み合いになりましたが逃げられてしまいました。その際、しんちゃんは覆面の人物のお尻にキスマークをつけていました。風間君は今までのおバカっぷりが嘘のようなスーパーエリートへと変貌していました。

チシオは覆面の人物を追いかけようとしましたが走れませんでした。チシオが走れなくなった原因とされる足の怪我は嘘であり、本当はチシオが走るとどうしても変顔になってしまうため人前では怖くて走れなくなってしまったのでした。その後、時計塔は壊れてしまいましたが、ボーちゃんは寸前にコモドドラゴンの赤ちゃんを避難させていました。しんちゃんは「オラ、犯人わかっちゃった」と言い出しました。

体験入学最終日の日曜日。しんちゃんは学園長の前で真犯人はサスガであると断言しました。しんちゃんが揉み合いの際に覆面の人物からもぎ取ったのはサスガの好物であるカニの殻だったこと、「33」はサスガが眼鏡を取ったときの目の形であること、そしてサスガの尻には昨日しんちゃんがつけたキスマークがくっきりと残っていたことなどを挙げました。

一連の事件の真犯人はやはりサスガでした。チシオのことが好きだったサスガは彼女が学園を辞めようとしていることを知り、オツムンに相談したところ「エリートになる装置を作ればいい」とアドバイスされたのです。サスガは図書館で「エリート化装置」を作り、学園の生徒たちを実験台にしていたのです。オツムンがサスガにアドバイスした理由は、エリート至上主義の学園長から効率よく学力レベルを引き上げる方法を考えるよう命じられていたからでした。

事件は解決し、ひろしとみさえ、風間君のママが迎えにやってきました。チシオはみさえから両親は子供の成長を第一に考えるものだと言われ、退学を思い留まることにしました。

しんちゃんと風間君は「焼きそばパン買ってこいマラソン」で勝負することになりました。風間君が勝てば全校生徒にエリート化装置を使い、しんちゃんが勝てば風間君はかすかべ防衛隊に戻るという条件でした。

しんちゃんと風間君のマラソン対決が始まりました。番長はマサオくんに鉄仮面を授け、34代目の番長に指名しました。ろろはコモドドラゴンの赤ちゃんを助けてくれたボーちゃんに「人間は嫌いだけとお前は好きだ」と告げ、ボーちゃんは大感激しました。

風間君はオツムンと合体してパワーアップしました。しんちゃんは不利な状況に陥りましたが、走っているうちに風間君の身体からオツムンが外れて壊れ、その瞬間に風間君は元に戻りました。しんちゃんと風間君はほぼ同時にゴールしましたが、焼きそばパンは風間君が掴んでいました。二人の対決を見届けた学園長は自分の考えが間違っていたこと、子供たちには「無駄なこと」こそが必要だと判断しました。

学園長は勝負は引き分けと判定し、しんちゃんと風間君は仲直りを果たしました。しかし、しんちゃんは風間君の持っていた焼きそばパンの焼きそばの部分だけ食べてしまっており、風間君を怒らせてしまいました。

以上、映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」のあらすじと結末でした。

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