映画「フェノミナン」ネタバレあらすじ結末と感想

フェノミナンの紹介:1996年アメリカ映画。この作品は、「人生には、説明できない不思議がある」というキャッチコピーで、ある一人の男がある夜不思議な体験に遭遇したことで、超能力が備わり、人々に色々な影響を与えていく姿を描いた、切なくも心温まるファンタジー・ラブストーリー映画です。最後に流れる劇中歌、エリック・クラプトンの『Change the World』が有名です。
監督:ジョン・タートルトーブ 出演:ジョン・トラヴォルタ(ジョージ・マレー)、キーラ・セジウィック(レイス・ペンナミン)、フォレスト・ウィテカー(ネイト・ポープ)、ロバート・デュヴァル(ブランデー先生)、デヴィッド・ギャラガー(アル・ペンナミン)、ジェフリー・デマン(ジョン・リンゴールド博士)、ほか

映画「フェノミナン」解説

この解説記事には映画「フェノミナン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

舞台はカリフォルニア州にある美しい田舎町・ハーモン、ジョージ・マレーは小さな自動車修理工場を経営していました。ジョージはスペイン人のティトを雇っていました。ジョージは時折スペイン語で話すティトのため、いつも辞書を片手に仕事をしていました。彼はその気さくで愛嬌のある性格から、町中の人々から愛されていました。独身のジョージは、女性家具職人のレイス・ペンナミンに密かに想いを寄せていました。レイスには2人の子供がおり、1人で育てていました。ある夜、行きつけバーで、ジョージの37歳の誕生パーティが開かれました。親友のネイト・ポープら、町中の人たちがジョージを祝いました。とりわけジョージを我が子のように愛していた医者のブランデー先生は、その日、チェス盤を彼にプレゼントしました。酔っぱらった友人を見送るため外に出たジョージは、ふと空を見上げました。満天の星空の中、ジョージは不思議な動きをする眩い発光体を目にしました。何だろうと思って見ていたその時、その発光体は不思議な音をたて、ジョージに眩い閃光を放ちました。ジョージはあまりの凄さに道に倒れ、暫し意識を失いました。目覚めたジョージはバーに帰って、その発光体の話をしましたが、誰も信じてくれませんでした。ジョージはブランデー先生としていたチェスの続きを始めました。ジョージは、驚くような手を指し、ブランデー先生に勝ちました。ブランデー先生は驚きました。

次の日、修理された車を受け取りにお客が来ました。ジョージはティトに、流暢なスペイン語で指示をしました。ティトは一晩で自分よりも、流暢にスペイン語を話すジョージに驚きました。ブランデー先生はジョージとチェスで対戦しますが、ことごとく負かされました。一晩でジョージが天才的頭脳になったことに、ブランデー先生は驚嘆しました。ジョージ自身も驚いていました。彼はあの閃光を見た夜から、本を1日に2、3冊も読めるようになり、いろいろなアイデアが閃くようになっていました。これまで平々凡々だったジョージの生活は、一変しました。ジョージは家庭菜園をし、夜も寝ずに本を貪るように読みまくりました。そして、その知識はすべて頭の中に吸収されていきました。ある夜、ジョージは親友ネイトの家に行きました。一人暮らしのネイトは、無線オタクでした。ネイトはあるコンピュータ同士の信号を傍受しました。ネイトには全く分かりませんでしたが、ジョージはその信号をあっさりと解読してしまいました。するとまた違った信号が入ってきました。ジョージは夜の暇つぶしのため、それを録音しました。ジョージはネイトに、自分が全く眠れない不安を吐露しました。心配するネイトに、ジョージは解読した信号に対して、ある返信を打ちました。その夜、ジョージはいつものように本を読んでいました。その時、ジョージは手を触れずに、離れた物を自由に動かすことができることに気づきました。ジョージは驚き、一層の不安感を覚えました。翌日、ジョージは真っ先に、ブランデー先生のもとへ行きました。ブランデー先生は、ジョージのテレキネシスを見て、驚きつつも、不安感を募らせました。それはジョージも同じでした。ブランデー先生は治す方法を考えると約束しました。ジョージは家庭菜園でとれた野菜を町の人に分けていました。その野菜はどれもおいしく、サイズも普通ではありませんでした。ジョージが突如、天才的頭脳になったことは、町中の噂となり広まりました。ある日、ジョージは意中の女性レイスの家に、籠一杯のトマトを持っていきました。レイスは平凡で安らかな暮らしを求めて、このハーモンに引っ越してきていました。そんなレイスは、少しジョージの好意に戸惑いました。レイスと散歩していたジョージはふと、一輪の花が咲いているのを見つけました。ジョージはそこで何かを感じ取りました。それは地震の前兆でした。ジョージは直ぐレイスに電話を借り、当局へ連絡しましたが、信じてもらえませんでした。ただ、レイスはジョージを信じ、子供たちに物が落ちないように指示しました。その夜、ジョージの予言通り、本当に地震が起こりました。驚いたレイスは子供たちを連れ、ジョージの家に向かいました。レイスはジョージの家に、自分の作った椅子がたくさんあるのを見ました。ジョージは実は、レイスに売れたと嘘をつき、レイスの椅子を自分が買っていたのでした。「本当のことが聞きたい」と言うレイスは、ジョージに憤りながら、家に帰っていきました。

翌日、ジョージはネイトに解読結果を知らせに行きました。それは何かの軍事基地でした。ジョージはネイトに再び、返信を打たせました。そして、ジョージはテレキネシスをネイトに見せました。ネイトは驚きました。その頃、ブランデー先生は食中毒で担ぎ込まれたある患者を診ていました。その患者はポルトガル語でうわごとを言っていました。どうやら孫が同じように食中毒で倒れているおそれがありました。しかし、どこにいるのか分かりませんでした。ブランデー先生はジョージを呼ぶように言いました。一方、家に帰ったジョージのもとには地震学の権威ジョン・リンゴールド博士が訪ねてきていました。リンゴールド博士は、ジョージに詳しく解明したいので研究所に来てほしいと言いました。ジョージはそれを快諾しました。ジョージは思いついたアイデアを形にして、色々な器具を発明していました。リンゴールド博士はそれを見て驚きました。その時、ブランデー先生からの急報が入りました。ジョージは1冊のポルトガル語の辞書を車中で覚えるように言われ、わずか20分でポルトガル語をマスターしました。そして、ジョージは患者から孫の居場所を聞き出しました。町の人たちは救出に向かいましたが、見つけられませんでした。しかし、共に救出に出たジョージは、その子供の居場所を感知しました。子供と同じ痛みを共有したジョージは動けなくなり、手を伸ばしました。すると、離れた檻のように立っていた木材が倒れ、そこで子供が苦しんでいました。ジョージの力で子供の救出には成功しました。しかし、町の人たちや一緒について来ていたリンゴールド博士は、そのジョージの驚異の力に驚愕しました。皮肉にも、町の人たちは、ジョージに恐怖感を抱きました。ジョージはそこで出会った子供の母親が、シングルマザーで仕事を探していると聞き、彼女を親友・ネイトと引き合わせようと思いつきました。その夜、ジョージはネイトのために、ポルトガル語で詩的な美しい愛のフレーズを3通録音しました。そして、ネイトにこのフレーズだけは覚えるように言いました。数日後、ネイトの家にその母親ミカエラが来ました。ネイトはミカエラの美しさに驚きました。ネイトはジョージから教わったポルトガル語のフレーズを訳も分からず、ミカエラに言いました。ミカエラはそれを聞き微笑みました。一気に2人は恋に落ちていきました。一方、皮肉にもジョージは驚異の力のせいで、町の人たちから恐怖の目で見られ、意中のレイスとの心のすれ違いを解消できずにいました。

そんなある日、突如、ジョージのもとにFBIが現れ、家の中の物を没収していきました。原因はジョージがお遊びで解読した暗号でした。FBIはジョージとネイトを連行しました。ネイトは直ぐに釈放されましたが、ジョージはFBIに拘束され、他の暗号も解けるかどうか、実験されました。ジョージはFBIのモルモット状態にされました。ジョージは色々実験された挙句、ようやく釈放されました。しかし、ジョージの力に脅威を感じたFBIは、彼に監視をつけました。自由を制限されたジョージは、孤独と不安感から家に閉じ籠りました。 そんな時、心配したレイスがジョージを訪ねてきました。レイスは彼の伸び放題の髪を切ってあげ、髭を剃ってあげました。ジョージはレイスの愛で、再び町の人たちの前に出る勇気を得ました。ジョージは自分が得た知識、そしてそこから生まれる画期的アイデアを人々に伝えようと思っていました。ジョージは図書館のブックセールで、ブースをつくり、自分が読んだ本を町の人々に紹介しようとしました。しかし、観衆はジョージに好意的ではありませんでした。ジョージは耐え切れなくなり、倒れてしまいました。彼はそこで再びあの発光体を見て、閃光を浴び、意識を失いました。目が覚めたジョージは病院のベッドの上でした。見舞いにきたブランデー先生とレイス、ネイトは何故か涙ぐんでいました。それはジョージの脳は腫瘍だらけで、その刺激によって普通は眠っている脳の部位が覚醒し、彼に超人的な力をもたらせていたことが判明したのでした。しかし、その腫瘍は確実にジョージに死をもたらすもので、余命はあと僅かでした。ブランデー先生はジョージに「我が子を亡くす気分だ」と嘆きました。ジョージはネイトに不毛と言われた南の畑に、自分の肥料とトウモロコシの種を蒔けと言いました。レイスと2人きりになったジョージは彼女に「僕が死ぬ日まで愛してくれる?」と訊くと、彼女は「いいえ、私が死ぬ日までよ」と答えました。ようやく愛を確かめあった瞬間でした。そんな時、ウェリン医師がジョージに今後の医学界の発展のために、危険な解剖手術をさせて欲しいと承諾を得に来ました。ジョージは「最期の瞬間にも新しい事を閃くかもしれない」と、それを拒否しました。しかし、ウェリン医師は手術を強行しようとしました。ジョージはそれを察知し、病院を脱走しました。ジョージはFBI と地元警察の目を掻い潜り、ネイトに自分が考えたアイデアを記したノートを、遺書替わりに置いて、別れを告げました。

ネイトに別れを告げたジョージは、レイスの家に向かいました。そして、ジョージとレイスは、その夜、結ばれました。ジョージはレイスの腕の中で、静かに目を閉じ、眠るように息を引きとりました。翌朝、リンゴールド博士がレイス宅に来ました。レイスはジョージが亡くなったことを告げ、書いていた彼宛ての資料の束を渡しました。リンゴールド博士はジョージの死を悼みつつも、感謝し立ち去りました。1年後、ネイトはジョージの言われた通り、トウモロコシの種とジョージの肥料を蒔き、畑は見事なトウモロコシ畑となりました。ネイトはミカエラと結婚し、彼女は妊娠していました。その夜、いつものバーでジョージの誕生パーティが開かれました。ネイト夫妻と町の人たち、そしてレイスと2人の子供たちとブランデー先生は、盛大にジョージの魂を祝いました。バーの片隅で、ジョージの写真が優しくみんなに笑いかけていました。(エリック・クラプトンの『Change the World』が優しく流れます。)

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