映画「宝島(1950年)」ネタバレあらすじ結末と感想

宝島の紹介:1950年アメリカ映画。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの同名冒険小説を映画化したアドベンチャー作品で、1934年にも映画化された作品の2度目の映画化作品です。ディズニー初の全編実写作品となる本作はディズニーの創設者ウォルト・ディズニー自ら製作総指揮を務め、18世紀中頃を舞台に海賊船長から宝島の地図を渡された少年の冒険を描きます。
監督:バイロン・ハスキン 出演:ボビー・ドリスコール(ジム・ホーキンス)、ロバート・ニュートン(ロング・ジョン・シルヴァー)、ベイジル・シドニー(スモレット船長)、ウォルター・フィッツジェラルド(スクワイアー・トレローニー)、デニス・オディア(リヴジー医師)、フィンレイ・カリー(ビリー・ボーンズ船長)、ラルフ・トルーマン(ジョージ・メリー)、ジェフリー・ウィルキンソン(ベン・ガン)、フランシス・デ・ウルフ(ブラック・ドッグ)、デイヴィッド・デイヴィス(アロー)、ほか

映画「宝島(1950年)」解説

この解説記事には映画「宝島(1950年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

1765年。イングランド西海岸にある古い宿屋「ベンボー提督亭」を顔に大きな傷のあるブラック・ドッグ(フランシス・デ・ウルフ)という男が訪れました。店番をしていた宿主の息子ジム・ホーキンス(ボビー・ドリスコール)はブラック・ドックから、この宿にビリー・ボーンズ船長(フィンレイ・カリー)がいないか訊かれました。ブラック・ドックが去った後、ジムから彼の話を聞いたボーンズ船長はブラック・ドックが来たならば近くに“片足の男”がいるはずだと語りました。

ボーンズ船長はリヴジー医師(デニス・オディア)から断酒するよう命じられていたにも関わらず酒を飲み続け、体は既にボロボロでした。ボーンズ船長を見かねたジムはリヴジー医師と大地主のスクワイアー・トレローニー(ウォルター・フィッツジェラルド)を呼びに外に出ますが、待ち構えていた盲目の男ブラインド・ピュー(ジョン・ローリー)に捕まり、ボーンズ船長に「昔の仲間からの贈り物だ」と紙を渡して去っていきました。紙には“黒点”、裏には“夕暮れまで”と書かれており、ボーンズ船長は今夜何者かがある物を盗みに来ると考えました。

ボーンズ船長は箱の中から1枚の紙を取り出し、この紙を“片足の男”に渡さないためにも外に持ち出そうとしましたが、遂に身体の限界を訴えて倒れてしまいました。ジムはボーンズ船長から紙を託され、助けを求めに外に出ました。その間、宿には謎の集団が乗り込み、ボーンズ船長がジムに託した紙を探し始めました。そこにジムがリヴジー医師とトレローニー、騎兵隊を連れて宿に戻り、集団は退散していきました。リヴジー医師はボーンズ医師を診ますが既に彼は死亡しており、リヴジー医師はボーンズ船長の死因は他殺ではなく心臓発作か酒の飲み過ぎが原因だと判断しました。

ジムからボーンズ船長の紙を見せられたトレローニーは、それが今は亡き大海賊フリント船長の財宝が隠された“宝島”の地図であることを知り、早速財宝を手に入れるため旅立つ決意を固めました。トレローニーは同行することを決めたジムとリヴジー医師を連れ、まずは船を調達するために港町ブリストルに向かいました。

トレローニーは立派な帆船「ヒスパニョーラ」を手に入れ、続いて船員を雇い入れることにしました。トレローニーは酒場で働くロング・ジョン・シルヴァー(ロバート・ニュートン)を料理係としてスカウトしましたが、ジムはシルヴァーの足が1本しかないことに気付きました。この男こそがボーンズ船長の言っていた“片足の男”ではないかと不安がるジムをよそに、シルヴァーは早速船員たちをかき集めてきました。船長のスモレット(ベイジル・シドニー)は航海の目的が“宝島”であることに疑問を抱き、シルヴァーの集めてきた船員は信用できないとトレローニーに伝えますが、地図や武器の厳重な管理を条件に出航することに同意しました。

「ヒスパニョーラ」はいよいよ“宝島”に向かって出航しましたが、その直後に船員のジョージ・メリー(ラルフ・トルーマン)が武器を隠し持っていたことが判明しました。スモレット船長とその部下アロー(デイヴィッド・デイヴィス)はジョージに罰を課しますが、実はシルヴァーこそがボーンズ船長の語っていた、フリント船長の手下だった“片足の男”本人であり、手下を船員として「ヒスパニョーラ」に潜り込ませて乗っ取り、財宝を独り占めしようと目論んでいたのです。

シルヴァーはアローに酒入りの菓子を食べさせ、酔ったところで嵐の海に突き落として殺害しました。その翌日、ジムは偶然にもシルヴァーがジョージたちと話をしているところを盗み聞きし、シルヴァーの目的を知ってしまいました。ジムが危うくシルヴァーたちに見つかりそうになったその時、一行はようやくお目当ての“宝島”に到着しました。

ジムから話を聞いたトレローニーはシルヴァーを雇ったことを後悔、スモレット船長やリヴジー医師は対策を考えることにしました。ジムはリヴジー医師から、シルヴァーに親しくなったフリをして近づき情報を得るよう指示されました。やがてシルヴァーはジムを連れて“宝島”へ上陸、ジョージらはその隙に「ヒスパニョーラ」を乗っ取ろうとしましたが、トレローニーの部下レッドルース(ジョン・グレッグソン)の反撃もあって失敗に終わり、ジョージらは船倉に閉じ込められました。

一方、ジムはシルヴァーから逃れて森に逃げ込み、かつてのフリント海賊団の生き残りで5年前にシルヴァーによってこの島に置き去りにされたベン・ガン(ジェフリー・ウィルキンソン)という男と出会いました。ベン・ガンはジムをボートがある場所に連れて行きました。その頃、トレローニーやスモレット船長、リヴジー医師はジムを助けるべく島に上陸しましたが、その隙を突いて檻から脱出したジョージらが一気に「ヒスパニョーラ」を乗っ取ってしまいました。「ヒスパニョーラ」に海賊旗が上がったのを確認したシルヴァーは船に戻り、わずかな手下を船に残して全員で上陸することにしました。

ジムはスモレット船長らと合流、ベン・ガンの小屋に身を寄せました。スモレット船長から入江に停泊している「ヒスパニョーラ」の錨を切れば船は自然と座礁するだろうとの見通しを聞いたジムはベン・ガンのボートで「ヒスパニョーラ」に乗り込み、見張りの者に襲われて怪我をするものの錨を切り離すことに成功しました。

ベン・ガンの小屋に戻ったジムでしたが、小屋は既にシルヴァーの手に落ちており、ジムは地図を奪われてしまいました。しかし、シルヴァーとジョージは財宝を巡って対立状態にあり、シルヴァーはリヴジー医師を呼んでジムの怪我の手当てをさせると、自分は縛り首になるのだけはごめんだからジムのことは何としてもジョージから守るとリヴジーに伝えました。

かくしてシルヴァーやジョージらはジムを連れて財宝の隠し場所に向かいましたが、財宝は既にベン・ガンが全て持ち出してしまっていました。シルヴァーは自分を裏切り者呼ばわりして襲いかかったジョージを殺し、ベン・ガンから財宝の隠し場所を教えてもらいました。スモレット船長から罪は免れないと告げられたシルヴァーは捕らえられ、「ヒスパニョーラ」は財宝を積んで“宝島”を後にしました。ところが、シルヴァーは隙を見てボートを奪い、ジムの協力を得て大海原へと逃走していきました。ジムは遠ざかるシルヴァーのボートを見守っていました。

以上、映画「宝島」のあらすじと結末でした。

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