映画「酒とバラの日々」ネタバレあらすじ結末と感想

酒とバラの日々の紹介:1962年アメリカ映画。仕事の憂さを酒でまぎらわせる男。彼に酒の味を教わった女。恋に落ちて結婚した二人はやがてアルコールの海に沈んでいく。脚本のJ・P・ミラーのエミー賞にノミネートされた同名のテレビドラマ脚本を原作とする。ジョニー・マーサー作詞・ヘンリー・マンシー二作曲のテーマ曲「酒とバラの日々」はアカデミー賞主題歌賞を受賞。やはりブレイク・エドワーズ監督の『ティファニーで朝食を』で歌われた「ムーンリバー」に続いて、マーサ―とマンシーニは2年連続で同賞を受賞した。ジャック・レモンとリー・レミックもそれぞれアカデミー賞主演男優賞、主演女優賞にノミネートされた。
監督:ブレイク・エドワーズ 出演者:ジャック・レモン(ジョー・クレイ)、リー・レミック(カーステン)、チャールズ・ビックフォード(エリス・アーネセン)、ジャック・クラグマン(ジム・ハンガーフォード)ほか

映画「酒とバラの日々」解説

この解説記事には映画「酒とバラの日々」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

サンフランシスコにあるPR会社の社員ジョー・クレイは顧客の取引先の外国の王族が船上で開いたパーティーで顧客の秘書カーステン・アーネセンを、男たちの接待役に雇った女たちの一人と勘違いして怒らせてしまった。

翌日ジョーは彼女のオフィスに出向いて彼女に詫びる。最初は相手にしてもらえず、腹をたてたジョーが「君なんてきれいなのが取り柄で今の職に就いているだけ」と彼女の耳元でささやくとぶたれてしまう。でも、かえって彼女に気に入られてディナーを共にする。好きなのはチョコレートで酒は飲まないと言うカーステンにジョーはブランデー・アレキサンダーを勧め、彼女は気に入る。

カーステンと話をして、顧客に女を世話するのはPRの仕事ではないと思ったジョーは、カーステンの会社のために再びパーティーを開く仕事を断り、晴れ晴れとした気持ちで、たくさん酒をもってカーステンのアパートへ行く。

やがて二人は深夜、温室で植物を育てる種苗業者である、カーステンの、ノルウェー移民の父エリスを訪れる。明らかにエリスはジョーを気に入っていないが、2時間前に結婚したことを報告する。

二人は大きなアパートに引っ越し、デビーという女の子も生まれた。だがジョーは顧客のために準備したパーティーで無理難題をもちかけられる。酔っぱらって帰って夫婦げんかになるも、デビーを泣かせてしまって反省する。しかし、翌日二日酔いで遅く出社すると、前夜の失敗のせいでヒューストンの小さな会社の担当に回されたことを知る。

ジョーが出張した際、酒とたばこをやりながらテレビを見ていたカーステンが火事を出してしまう。同時にジョーも会社を解雇される。

数年が経ちデビーは学校に通うようになった。ある日ジョーは街のウィンドウに映る自分の姿を見て悟る。エリスが娘カーステンの高校卒業祝いに贈った文学全集だけが目立つ質素なアパートに帰ったジョーはカーステンに、君も俺も飲んだくれだ、だからいつも仕事を首になるのだと言い、カーステンを説得して義父の家に引っ越す。

都会っ子のジョーにとって田舎暮らしは寂しかったが、エリスの元で力仕事に精を出して健康的な生活をする。だが、がんばったご褒美のつもりでジョーがエリスに隠して寝室にもちこんだ酒で二人ともへべれけに。酒がなくなりジョーは雷雨の中、温室に隠した酒を取りに行き、酒を隠した鉢がわからなくなり、酒ビンを見つけた時に温室はめちゃくちゃになっていた。カーステンもエリスにシャワーの水を浴びせられる。

ある時ジョーは病院の金網付きの個室に入れられて拘禁され、それでも騒ぐので鎮静剤を注射される。しらふに返ったジョーをアルコール依存症者の互助団体・アルコホーリクス・アノニマス(AA)のジム・ハンガーフォードが訪問する。

退院したジョーはカーステンにもAAの集会に参加しようと言うが、カーステンは、私はアル中じゃない、意志力で禁酒できると言い、ジョーだけが集会に参加する。ジョーはしばらく集会に参加した後初めて、ジムに励まされ自分の体験を他の人々の前で語る。

ところがその日帰るとカーステンがいない。やがてモーテルの経営者が、カーステンが部屋で酔っぱらっていると電話してきた。モーテルでカーステンは、酒をやめた夫への不満を言う。ジョーはカーステンが酒に誘うのを拒み続けるがとうとう、カーステンを失うことを恐れてコップに酒をついでしまう。部屋の中の酒を全部開けるとジョーは閉店時間の酒屋に侵入するが、店主は酒をジョーの顔に浴びせて彼を愚弄する。種苗業

精神病院のベッドにくくりつけられたジョーをジムが見舞う。ジムはジョーに、カーステンを愛しているなら、彼女と別居してでもアルコール依存症を克服しろと言う。

ジョーはデビーと暮らし酒を断った。ある日、義父の家に行く。借りていた金を返し、カーステンと会うためだった。しかし、良くなっていると思っていたカーステンはいない。エリスは娘に酒を教えたジョーを呪い、涙ながらにカーステンが夜な夜な飲み友だちと出かけ朝帰りを続けていることを語る。

ある深夜、ジョーのアパートをカーステンが訪れる。二日酒を断っているというカーステンは、しかし、酒をやめることはできないと言う。酒を飲んで見る世界は美しいのにしらふで見ると醜いと彼女は言う。カーステンが近所のバーとは反対側に歩き去っていくのを窓からジョーは見送った。

母の名を父が叫んだのを聞いてデビーが起きてしまうが、ジョーはデビーに、お母さんは体がよくなったら帰ってくると話す。ジョーはもう一度、カーステンの去った方を窓から見る。バーのネオンサインが点滅していた。

以上、映画「酒とバラの日々」のあらすじと結末でした。

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