映画「非常宣言」ネタバレあらすじ結末と感想

非常宣言の紹介:2022年韓国映画。バイオテロが決行された飛行機内でウイルスが発生し、次々と犠牲者が出てきます。テロ実行犯が死んでしまい、さらなる絶望が起こる中、絶望に抗うべく立ち向かう人々の姿を描いた作品。ソン・ガンホやイ・ビョンホンら豪華キャストも見所の一つです。
監督:ハン・ジェリム 出演:ソン・ガンホ(ク・イノ刑事)、イ・ビョンホン(パク・ジェヒョク)、チョン・ドヨン(キム・スッキ国土交通省大臣)、キム・ナムギル(ヒョンス副操縦士)、イム・シワン(リュ・ジンソク)、キム・ソジン(ヒジン チーフパーサー)、パク・ヘジュン(パク・テス大統領府危機管理センター)、ほか

映画「非常宣言」解説

この解説記事には映画「非常宣言」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

仁川国際のトイレで、脇の皮膚にナイフで切り込みを入れ、小さなカプセルを入れるジンソク(イム・シワン)。ジェヒョク(イ・ビョンホン)は娘のスミンとハワイ行きの飛行機に乗ろうとしていました。

イノ刑事(ソン・ガンホ)の妻はジェヒョクらと同じ飛行機に乗り、休暇のためハワイに向かおうとしていました。しかしその日、イノ刑事は飛行機を襲うという脅迫動画を発見し、捜査に向かうとその先に不審な遺体が発見されます。ちょうどその頃、ハワイ行きの飛行機が離陸しました。

遺体を検分しましたが、死因は毒物によるものだと判明します。そしてさらに、ウイルスによるものだということが分かりました。

ジンソクはトイレに向かい、ドアをロックすると先程隠したカプセルを取り出します。ジンソクはカプセルの中身を自ら吸わないよう口を覆いながら、中身をトイレに撒き散らしました。トイレを出たジンソクと入れ替わりにスミンが入ろうとしますが、別の男が割り込んで入っていきます。その際、ジンソクはスミンの耳元で「みんな死ぬよ」と呟いていました。

イノ刑事は妻が飛行機に乗っていること、そして凶悪なウイルスを保持した男が同じ飛行機に乗っていることを連絡していましたが、先にトイレに入った男が皆の目の前で吐血して死んでしまいます。感染はパイロットにも広がっていました。

脅迫動画を見ていてそっくりなジンソクを怪しんでいたジェヒョクは、薄っすらと笑みを浮かべていたジンソクを捕らえ、客室乗務員とヒョンス副操縦士(キム・ナムギル)に突き出します。

安心かと思いきや、機内ではゴホゴホと咳をする人が増えてきました。

イノ刑事はキム国土交通省大臣(チョン・ドヨン)やパク危機管理長(パク・ヘジュン)に経緯を説明し、飛行機にいるジンソクに何らかの要望を聞くため、連絡を取る許可を得ようとします。ジンソクと連絡が取れますが、ジンソクは、閉じ込められた空間でネズミのようにもがき苦しみ死んでいく姿を見るのが楽しいと話します。

治療方法を確認しようとしますが、ジンソク自らもウイルスに感染していることがわかります。すると飛行機が自由落下を始めました。操縦士はウイルスで死んでしまい、肝心のジンソクも感染が進み死んでしまいます。

ヒョンス副操縦士と元パイロットだったジェヒョクとで機体を立て直し、どうにか安定させることが出来ました。機内の混乱の様子がSNSで流れてしまったために、事件は世間に明るみになってしまいます。政府は会見を開かざるを得なくなり、乗客も自らの危機を知ることになります。

パニックの中、客室乗務員は症状が出ている人とそうでない人の区分けを始めます。アトピー持ちのスミンは、症状が出ている人たちの溢れる地獄のような場所に分けられてしまいました。

次々と倒れだす乗客が出てくる中、飛行機はアメリカへの上陸を拒否されてしまいます。仕方なく仁川空港にとんぼ返りすることになり、機内を絶望の雰囲気が覆います。

イノ刑事はマスコミや警察を完全シャットアウトしているブリコム社を訪れます。そこに一本の電話がイノ刑事の元に着信します。それはブリコム社の従業員からの内部告発の電話でした。

それは致死性の高いウイルスを中東から購入したが、それが元で数人の犠牲者が出てしまった、その担当者がジンソクだったのです。その後ジンソクは解雇されたことと、事件の生き残りの研究者がいることが分かります。ウイルスで死ななかった研究者からワクチンができるのではないかという僅かな希望が生まれました。

その後、研究者の証言からようやくブリコム社がウイルスを持っていたことが分かり、捜査のメスが入ります。それでも協力を拒否する姿勢のブリコム社、そこにキム大臣が現れ、協力するように要請しました。そこで初めてワクチンの存在を確認します。

さらなる問題が勃発しました。飛行機の燃料が底を尽きかけているのです。飛行機は成田空港に緊急着陸しようとしますが、成田空港側はそれを拒否します。しかし、生き残るため強行着陸しようと試みましたが成田側から攻撃を受けてしまい、結局着陸は出来ず韓国に戻ることになりました。ついにヒョンス副操縦士が意識を失ってしまい、ジェヒョク一人で韓国へ飛行機を向けることになったのです。

政府内では新たな問題が浮上してきました。果たしてウイルスは効果があるのかという問題です。申請してから許可を得るまで時間がかかりますし、責任を誰が取るのかという問題もあります。国民も命を助けるべきという派閥と、危険なウイルスは持ち込むなという派閥に別れ、デモが起こります。

その様子を見たイノ刑事は、妻を助けたい一心で周りの静止を振り切り、自らを実験台にと立候補し、強引にウイルスを打ち、ワクチンが効くかどうかを試したのです。

その頃、機内では外の様子を知り、このまま韓国に帰るわけにはいかないと自死を選択する旨を政府とメディアに告げます。絶望の空気が韓国を覆ったその時、イノ刑事の病状が回復したという連絡が入りました。ワクチンが効いたことになります。直ぐさま飛行機を着陸するように伝えました。

その頃、キム大臣は危険なウイルスを持ち込んだ責任を問われていました。しかしキム大臣は毅然と立ち向かい、陪審員たちを黙らせます。

やがて飛行機は着陸し、乗客たちはワクチンを打って命が救われます。責任を取って辞職したキム大臣は、海を見ながら誇らしげに笑みを浮かべました。

以上、映画「非常宣言」のあらすじと結末でした。

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