コンビニエンス・ストーリーの紹介：2022年日本映画。絶賛スランプ中の脚本家の加藤が山の中で迷い込んだ際に見つけた不思議なコンビニで南雲と恵子の夫婦と出会います。やがて恵子と深い関係となった加藤は徐々に南雲から疑いの目を向けられるようになり事態は思いもしない方向へと進んでいくのでした。
監督：三木聡 出演：成田凌（加藤）、前田敦子（惠子）、片山友希（ジグザグ）、岩松了（榊）、渋川清彦（沼津）、ふせえり（国木田）、六角精児（南雲）、ほか
映画「コンビニエンス・ストーリー」解説
この解説記事には映画「コンビニエンス・ストーリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
売れない脚本家の加藤は絶賛スランプ中。彼女で女優のジグザグが、オーディションに行った際に飼い犬のケルベロスから餌をねだられ、好物の缶詰「犬人間」を買いにコンビニへと向かいました。
コンビニに向かうと、店内に車が突っ込んできてむちゃくちゃになってしまいます。お詫びにと犬人間をもらった加藤が家に帰ると、ケルベロスがPCの上に乗っていることに気づき、止めようとしますが時すでに遅し、執筆中の加藤の原稿が消えてしまいます。
怒った加藤はケルベロスを山奥に連れていき、置き去りにしてしまいました。
ケルベロスがいなくなったことを知り、ジグザグは悲しみます。後味が悪くなった加藤はケルベロスを連れ戻しにいきますが、レンタカーが故障してしまい、立ち往生してしまいます。そこで霧の中にあるリソーマートというコンビニを見つけ、そこで店員の恵子に出会います。
ブランケットを買い車に戻ろうとした加藤でしたが、車が見当たりません。恵子に提案され、恵子の夫である南雲の家に泊まることになった加藤。翌朝になっても車が見つからないので、しばらく南雲と恵子の家にやっかいになることになりました。
南雲が家を離れている間に、恵子が加藤を誘惑、加藤もあっさりと誘惑されてしまい関係を持ってしまいます。
南雲は恵子のことを「江土場事件」の生き残りだと話します。加藤はそんな事件聞いたこともありませんでした。しかし、コンビニで過去の日本の凶悪事件を特集した雑誌を見つけ、そこに載っていた江土場事件について読み耽ります。
インスピレーションが湧いた加藤はその内容をプロデューサーに送ると、好反応を得ることが出来、すぐ脚本にするようにと言われます。
あれから加藤はあの雑誌を探そうとしましたが、どこにも見つかりませんでした。執筆を始めた加藤、これまでの煮詰まりが嘘のように筆が進んでいきます。
その頃、ジグザグはオーディションに受かっていました。撮影中のジグザグは黒い車に乗り込み、怪しげな男たちと話し込んでいます。「やっぱりやめますはないですよ」と話す男にジグザグは何かを決意した表情で大金を渡します。
加藤と恵子の仲は少しずつ深まっていっていき、恵子はどこかに逃げたいと話すようになります。加藤もどこかへ行こうと話します。そんな中、無くなっていた車が見つかりました。レンタカーの延長をし、修理をして動くようになります。
すると南雲はその車を貸してほしいと言い出しました。恵子との間に子供を作ることにしたから病院へ行きたいとのこと。恵子は子供は作りたくないようです。これは南雲が二人の関係を疑っていることからきているようでした。
南雲が車に乗って出かけると、恵子は加藤を連れバスに乗り、温泉地へと向かいます。誰もいないコンビニにジグザグから依頼を受けた男がやってきます。
たくさんの人がいる温泉地にやってきた二人。恵子が温泉に入っている間にも加藤は執筆を続けます。やがて、執筆を終えた加藤に恵子は「南雲がいた」と告げると、加藤がプロデューサーに電話している間にいなくなってしまいます。
加藤は恵子を探しましたが見つかりませんでした。仕方なくコンビニへ戻る加藤、コンビニには南雲がいて「恵子が出ていった」と肩を落としています。すぐに血まみれの男二人が倒れているのを見つけた加藤、どうやら南雲がやったようです。
防犯カメラで加藤と恵子の関係を知っていたと南雲は、加藤に詰め寄り始めます。詰め寄る南雲を突き飛ばしたのは恵子でした。恵子は加藤を奥の冷蔵庫まで連れていき、逃げるように言います。ただし、振り返ってはいけないと意味深な言葉を残しました。
言われた通り全速で逃げた加藤の目にレンタカーが入ります。車に乗り込むとケルベロスも乗り込んできました。そして加藤は無事、元の世界に戻りました。
原稿を送るためコンビニに寄った加藤、飲み物を買おうと冷蔵庫に歩み寄ると、冷蔵庫の後ろに恵子の姿があることに気づき、驚く加藤。その瞬間、車が猛スピードでコンビニに突っ込んできて、コンビニを破壊してしまいます。
ジグザグは事故のあったコンビニにやってきて、被害者を追悼しました。加藤とケルベロスの行方はいまだ分かっていないようです。
以上、映画「コンビニエンス・ストーリー」のあらすじと結末でした。