映画「オーバーナイトウォーク」ネタバレあらすじ結末と感想

オーバーナイトウォークの紹介:2019年日本映画。映画「予定は未定」で優秀作品賞を受賞した磯部鉄平監督の作品。無名の女優・さくらは、ヌードの仕事のオファーを受けていた。しかし彼氏から反対され、どうするか悩んでいる。そんな時に姉の百合子が訪ねてきて…。
監督:磯部鉄平 出演者:高田怜子、屋敷紘子、安楽涼、細川博司、佐々木仁、井上勝馬、後藤紗亜弥、土屋詩織、竹田哲朗、小橋秀行、ほか

映画「オーバーナイトウォーク」解説

この解説記事には映画「オーバーナイトウォーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

27歳の女優・さくら(高田怜子)は、ヌードの仕事のオファーを受けています。同棲する彼氏から反対され、仕事を受けるかどうかで思い悩むさくらは、先輩女優に相談することにしました。

先輩が、ヌード経験のある女優を紹介してくれます。なぜヌードになることを戸惑うのか尋ねられるさくら。女優として一皮むけるためにも、ヌードになるべきだと勧められます。

さくらが居酒屋で相談に乗ってもらっている頃、さくらに会いに姉の百合子(屋敷紘子)が部屋を訪ねていました。さくらと同棲している彼氏は、突然の姉の訪問に驚きます。さくらが帰って来ないため、百合子はさくらを迎えに居酒屋へ行くことにします。

さくらが店にいることを聞きつけた仕事仲間が、大勢詰めかけて来ました。みんなでさくらがヌードになることを説得に来たのです。さくらがどうするか決めかねていると、「女優やめろ」と言われます。

そこへ、百合子がやって来ました。ヌードになることを反対する百合子。AV女優など絶対にダメだと反対します。しかしさくらはAV女優を目指すわけではありません。そのことを理解した百合子が、「周りが何て言ってもいいから、最後はあんたが決め」と言います。百合子の言葉もあり、さくらはオファーを受けることに。

店を出た百合子とさくらは、二人で下北沢から新宿まで歩くことにします。こうして始まった夜中の散歩。二人は昔話に花を咲かせ、話題は結婚のことになります。さくらの彼氏は、百合子にプログラマーの仕事をしていると言っていました。しかし実際には無職で、さくらのバイト代で生活しています。現在はヒモ状態の彼氏ですが、働いていた時はしっかりしていたのだとさくらが言います。

百合子は結婚する予定があるのかさくらが尋ねます。百合子は、「先週籍を入れてん」と言い、さくらをびっくりさせました。百合子は母親を老人ホームに入居させ、実家を売ることにしたと打ち明けます。母親のことも家のことも一人で勝手に決めた百合子に、「お母さんの意見は聞いたん?」と、さくらは怒り口調になります。「あんたにお母さんのことはわからんよ」と百合子に言われ、黙って歩きだすさくら。

坂を上った先は行き止まりで、別のルートを探します。しかし元の道に戻ってしまい、携帯で道を検索することに。すると道で寝ている男性が「寒い…」とつぶやきます。見て見ぬふりをする二人。自動販売機で紅茶を買った百合子が、さくらに渡します。さくらから「紅茶は飲めへん」と返われ、百合子は公園で寒そうに寝ている男性に紅茶を渡しました。再び新宿を目指し歩き出した百合子とさくらは、先ほどの男性が父親に似ていたと話が盛り上がります。

しばらくして、百合子は母親が認知症を患っているのだと打ち明けました。途中、歩道橋から東京タワーが見えます。足が疲れた二人は、東京タワーを見ながら休憩することに。百合子が「結婚式に出席してや」と頼みます。さくらは「ヌードになるからな…」と笑いながら断ります。「ほんまに自分が何したいか考えや」と、真剣な表情で伝える百合子。

携帯を見ながら歩いていた二人ですが、充電が切れてしまい迷子になってしまいました。近くの公園が、二人が子どもの頃に遊んだ公園に似ていたため、百合子が興奮します。ジャングルジムに登る百合子。さくらはベンチに座ります。百合子は、どうして女優になったのかさくらに尋ねました。さくらは、役を演じていることが楽なのだと言います。

今回の映画はヌードになりますが、エキストラのような役です。百合子は感情表現もできない作品に出て、何が楽しいのか尋ねました。さくらは、有名な監督の作品に出れば、何かきっかけを掴むことができるかもしれないと思っています。それを聞いた百合子は、さくらに何かできることはないか考え、YouTubeはどうかと提案。するとさくらがすぐに却下します。

その後も歩き続ける二人。夜が明け、辺りが明るくなってきました。百合子はプロポーズされた時、母親と一緒に暮らしたいと伝えました。すると夫となる人が怖い顔をして、「そんなの当たり前やん」と言ってくれました。しかし老人ホームに入所させることを決めた百合子。裸で外へ出かけようとしたことがある母親を、一人にはできないからです。それに老人ホームには、母親と仲のいい人がいます。老人ホームに入居する方が、母親にとって幸せだと思う百合子。さくらも納得します。

新宿までやってきました。さくらは靴擦れができてしまい、足が痛みます。百合子は「ここでええよ」と駅へ向かって走り出しました。さくらが「お姉ちゃん」と呼びかけると、百合子が手旗信号で何かを伝えます。

その後、さくらは出演依頼の件で電話を掛けました。すると「別の人に決まった」と言われ、電話を切ったさくらは泣き出します。家に帰ったさくらは、オーディションを受けるための準備を進めます。バイトを辞めて女優一本で生きていく覚悟を決めたさくら。百合子が以前送ってくれた紅茶を飲んで、「まず…」と笑うさくらでした。

以上、映画「オーバーナイトウォーク」のあらすじと結末でした。

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