映画「ジキル博士とハイド氏(1941年)」ネタバレあらすじ結末と感想

ジキル博士とハイド氏の紹介:1941年アメリカ映画。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『ジキル博士とハイド氏』の5度目の映画化作品であり、1931年製作の同名映画のリメイク作品です。自ら発明した薬を飲むことで二重人格を得ることとなった天才医学博士の狂気と顛末を描きます。
監督:ヴィクター・フレミング 出演者:スペンサー・トレイシー(ヘンリー・“ハリー”・ジキル博士/ハイド氏)、イングリッド・バーグマン(アイヴィー・ピーターソン)、ラナ・ターナー(ベアトリクス・“ベア”・エメリー)、ドナルド・クリスプ(チャールズ・エメリー卿)、イアン・ハンター(ジョン・ラニョン)、バートン・マクレーン(サム・ヒギンズ)、C・オーブリー・スミス(ビショップ・マナーズ)、ピーター・ゴドフリー(プール)、サラ・オールグッド(ヒギンズ夫人)、フレデリック・ウォルロック(ヒース博士)、ウィリアム・タネン(フェンウィック研修生)、フランセス・ロビンソン(マルシア)、デニス・グリーン(フレディー)、ビリー・ビーヴァン(ウェラー氏)、フォレスター・ハーヴェイ(プローティー)、ラムデン・ヘア(ウェイマウス大佐)、ローレンス・グラント(カートランド博士)、ジョン・バークレー(教会にいた巡査)ほか

映画「ジキル博士とハイド氏(1941年)」解説

この解説記事には映画「ジキル博士とハイド氏(1941年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

1887年、イギリス・ロンドン。将来有望な医学博士のヘンリー・“ハリー”・ジキル博士は婚約者であるベアトリクス・“ベア”・エメリーの父チャールズ・エメリー卿の夕食会に招かれていました。
ジキル博士は人間の精神には善と悪というふたつの要素があり、どちらかひとつを分離する研究に熱中していましたが、チャールズ卿や医者仲間は研究に批判的でした。

夕食会の帰り道、ジキル博士は路上でならず者に襲われていた女性アイヴィー・ピーターソンを助けました。家に送ってもらったアイヴィーはどうやらジキル博士に好意を抱いたようでした。

その後、ジキル博士は友人であるサム・ヒギンズが死んだことを知りました。サムはガス工場の爆発をきっかけに精神を病んでしまい、ジキル博士は研究中の精神を分離する薬を投与しようと考えていた矢先でした。

ジキル博士は実験室に閉じこもり、自らその薬を飲んでみました。するとみるみるうちにジキル博士の表情は狂気に満ちたものとなり、内面に潜んでいた悪の人格“ハイド氏”へと変貌を遂げました。ハイドは飲めば元の人格に戻れる解毒剤を飲んでジキル博士に戻りました。

ベアトリクスはチャールズ卿と共に海外旅行に出発、ジキル博士はひとりロンドンに残りました。執事のプールから気晴らしに外出してはどうかと勧められたジキル博士は再び薬を飲んでハイドに変身、街の劇場に足を運びました。

劇場では先日ジキル博士に助けられたアイヴィーがウェイトレスとして働いていました。アイヴィーは目の前のハイドが先日自分を助けてくれたジキル博士とは気づかず、ハイドがなぜか自分のことを知っているので気味悪がりました。ハイドは劇場の支配人に金を握らせ、アイヴィーをクビにするよう要求しました。仕事を失ったアイヴィーはハイドを恐れながらも言いなりになるしかありませんでした。

アイヴィーの同僚だったマルシアは彼女の様子を見に行ったところ、アイヴィーの背中に傷があることに気づきました。マルシアはアイヴィーがハイドから虐待を受けているのではないかと察知しましたが、現れたハイドによって追い出されてしまいました。

やがてベアトリクスとチャールズ卿がイギリスに帰国してきました。もう老い先長くないと感じていたチャールズ卿はベアトリクスとジキル博士の結婚を許可しました。ジキル博士はもう二度とハイドに変身しないと誓い、実験室を封鎖しました。

そんなある時、アイヴィーがジキル博士に診察してもらうために訪ねてきました。目の前のジキル博士がハイドであることに気づかないアイヴィーは以前ジキル博士が自分を助けてくれたことを感謝し、彼にハイドのことを相談しました。ジキル博士は「ハイドはもう二度と現れない」と言いました。

アイヴィーが帰った後、外に出たジキル博士は薬を飲まなくても勝手にハイドに変身してしまいました。

ハイドがアイヴィーのアパートに向かった時、アイヴィーはようやくハイドから解放されたことを喜んでいたところでした。そんなアイヴィーの前に現れたハイドはジキル博士が彼女に語った言葉を話しだし、アイヴィーを驚愕させました。アイヴィーは恐怖のあまり絶叫し、ハイドは思わずアイヴィーを絞め殺してしまいました。

アイヴィーの叫び声を聞きつけた近所の住民が駆けつけ、ハイドはその場から逃げ出しました。何とか帰宅したハイドは解毒剤を飲んで元のジキル博士に戻ろうと考えましたが、解毒剤のある実験室は封鎖されて入れない状況でした。

ハイドはジキル博士の親友であるジョン・ラニョン博士に頼んで実験室を開けてもらい、解毒剤を飲んで元のジキル博士に戻りました。ジキル博士はラニョンに全てを打ち明け、ベアトリクスとの婚約を解消するため彼女の家に向かいました。ところが、ジキル博士はそこでハイドに変身してしまい、ベアトリクスは思わず悲鳴を上げました。ハイドは悲鳴を聞いて駆けつけたチャールズ卿を殴り殺してしまいました。

ハイドはその場から逃げましたが、駆けつけた警察はチャールズ卿殺害に使われたのはジキル博士の杖であると断定、ラニョンを伴ってジキル博士の家に向かいました。一方、一足先に帰宅したハイドはプールを脅して実験室に入り、解毒剤を飲んでジキル博士に戻りました。

警察と共にジキル博士の家に到着したラニョンは彼に全てを白状するよう説得しましたが、ジキル博士は自分がハイドではないと否定しながらも次第にハイドに変身していき、暴れまわって手がつけられなくなりました。ラニョンはやむなくハイドに発砲し、ハイドそしてジキル博士は息を引き取りました。

以上、映画「ジキル博士とハイド氏」のあらすじと結末でした。

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