映画「依存魔」ネタバレあらすじ結末と感想

依存魔の紹介:2019年ベルギー, フランス映画。「変態村」「地獄愛」に続くファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督のベルギーの闇3部作の最終章を飾る作品。母親が働く精神病院で暮らす少年ポールの前に、美しいが危うい少女グロリアが現れます。彼女に一目惚れしたポールは、彼女に誘われるがまま脱走の手助けをすることになるのでした。
監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ 出演:トマ・ジオリア(ポール)、ファンティーヌ・アルデュアン(グロリア)、ブノワ・ポールヴールド(ヒンケル)、アナエル・スヌーク(ポールの母親)、ローラン・リュカ(グロリアの叔父)、ほか

映画「依存魔」解説

この解説記事には映画「依存魔」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

内気な恥ずかしがり屋で自然を愛する心優しい12歳の少年ポール(トマ・ジオリア)は、母親(アナエル・スヌーク)の働く精神病院で暮らしていました。

そんなポールは精神病院から何度も脱走を試みる美しい少女グロリア(ファンティーヌ・アルデュアン)に一目会って恋に落ちてしまいます。グロリアは自分は病気ではないと主張し、脱走を繰り返します。

「私たちは大人に騙されている、お願い一緒に逃げて」
そう告げるグロリア。そんなグロリアを見て、どうにかしたいと思っていたポールは、彼女から脱走の手助けをしてほしいと頼まれます。

ポールがどうしようと迷っていると、職員に見つかってしまいました。見つかるとまた自分に不都合なことになる、そう考えたのか、グロリアは職員を突き落として殺害してしまいます。そして呆然としているポールは彼女に手を引かれるまま一緒に脱走するはめになってしまうのでした。

ポールの恋心はグロリアの持つ強い瞳の力と勢いに負け、最後までこの脱走に付き合うことを誓わされてしまったのです。グロリアはついに自分に共感し協力してくれる相手を見つけ、上機嫌でした。

ポールが来たことに気をよくしたのか、テンションが上がったグロリアはさらに調子に乗っていきます。ポールを使い家屋に忍び込んでは食料や物品を盗ませます。ポールも次第に見え隠れするグロリアの危険性に気づいてはいましたが、惚れた弱みなのかグロリアに尽くすことを喜びにしてしまったのです。

そんな中、二人は船旅をしている家族に出会います。家族はとても優しく、警察の通報を恐れて嘘をついた二人を暖かく迎え、寝る場所や食事を提供してくれますが、他人が作る穏やかな空間が次第に気に入らなくなったグロリアが船に火をつけ、また二人は逃亡を始めるのでした。

さらに情緒が不安定になり、ますます危険性が増していくグロリア。鶏さえも彼女の叔父(ローラン・リュカ)から送られたスパイだと話し出します。二人がボートを盗み川を上り続けていると、トレーラーハウスに住む男に出会います。

男はとても親切で二人の面倒を見てくれました。小児愛者である可能性を否定できないが、二人は彼の好意に甘えることにしました。

男はやがて元いた場所に連れて行くからと二人を車に乗せ発車させようとしました。どうしても元いた場所に戻りたくないグロリアは、運転する男の首を締めて車を横転させ、男を殺害してしまいました。

車から脱出したポールとグロリアは湖に向かい、再びボートに乗ります。ボートを走らせながら二人は上空に飛び立った渡り鳥の群れの姿をただ見つめていました。

以上、映画「依存魔」のあらすじと結末でした。

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