映画「そばかす」ネタバレあらすじ結末と感想

そばかすの紹介:2022年日本映画。恋愛が出来ない、性欲もない。30歳になっても恋愛や結婚には縁がない、そんな主人公佳純の苦悩を描いています。「ドライブ・マイ・カー」で注目された三浦透子が佳純役を熱演、LGBTに悩む主人公を演じています。
監督:玉田真也 出演:三浦透子(佳純)、坂井真紀(佳純の母)、伊藤万理華(佳純の妹)、伊島空(翔)、前原滉(八代)、前田敦子(真帆)、北村匠海(天藤)、ほか

映画「そばかす」解説

この解説記事には映画「そばかす」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

蘇畑佳純(三浦透子)は音楽大学に進んだものの、挫折して大学を辞め、実家に帰ってきました。やりたくもない仕事をとりあえずこなし、同僚に誘われるがまま行った合コンで男性からアプローチされるも、どうしたら良いのか分かりません。30にもなって恋人も作らず、結婚する気配のない佳純に母親(坂井真紀)はいつも口うるさく叱ります。

そしてある日、母親は佳純を騙し、あらかじめセッティングしていたお見合いに佳純を連れて行くのです。そこで出会った小暮翔(伊島空)というお見合い相手は、恋愛や結婚なんかどうでも良くて仕事を頑張りたいと話しました。

同じ考えをしていた佳純は翔に共感し、親近感を覚えます。それから二人は仲良くなり、一緒に出かけたりします。

ある日、泊まりで出かけた際に別々の部屋をとったものの、佳純の部屋に強引にやってきた翔が、いきなり佳純にキスしようとしてきました。焦った佳純は、二人は友達であることを確認し、恋愛感情を持つことはないことを翔に念押しすると、翔は怒って自分の部屋に帰ってしまいます。

仕事終わりに佳純は同級生の八代(前原滉)から声をかけられます。そして佳純は八代に勧められた、八代が働く学童で働くことになったのです。子供たちが帰り、八代と後片付けをしていると、八代から自分がゲイであることをカミングアウトされます。すんなりと受け入れた佳純に、八代は喜びました。

結局、翔とは別れることになり、そのことを母親に報告すると、また責められます。また口論となり、母親に激しい言葉をぶつけた佳純は、その態度を今度は妹(伊藤万理華)に責められてしまいました。

モヤモヤが晴れず佳純が海で寝そべっていると、同級生の世永真帆(前田敦子)が現れました。東京でAV女優として活躍していた真帆は、久しぶりに地元に帰ってきたのです。そんな真帆と佳純はキャンプに行くことになりました。懐かしい昔話をしながら、以降二人は急速に仲良くなっていきます。

デジタルの紙芝居を作り、子供たちに見せてほしいと頼まれた佳純は、シンデレラの紙芝居を作り、ナレーションを真帆に頼むことにしました。真帆はそれを快諾しますが、佳純が作ったシンデレラの話を見て怒ってしまいました。義母たちにいじめられながらも、外見だけを見て王子がシンデレラを選ぶ展開が、いかにも男性中心的だと言うのです。

真帆の言うことに納得した佳純は、真帆の力を借り、佳純の考えるシンデレラを作りました。それは王子との結婚を選ばない、自由な意志を持ったシンデレラでした。全く新しいシンデレラを披露するものの、保護者たち大人がざわつき始めます。

結局、紙芝居は中止することになり、紙芝居を見に来ていた政治家の真帆の父親から、多様性というものは小さい頃から植え付けるものではない、と叱られてしまいました。そのことが真帆の知ることになると、真帆は突如怒り出し、父親に、あなたに言われる筋合いはないと父親を責め始め、混沌としたまま紙芝居は終わります。

自分の気持ちのまま自由に生きる真帆に勇気をもらった佳純は、真帆に一緒に暮らさないかと提案します。一度は了承した真帆でしたが、本当は東京に付き合ってる人がいて、別れていたがやり直すことになり結婚を決めたのだと話します。

素直に真帆の結婚を祝福した佳純でしたが、そんな佳純の姿を見た妹に「強がらなくていい。お姉ちゃんレズビアンなんでしょ?」と言われてしまいます。違うと言っても聞き入れてくれない状況に、佳純はついに「恋愛感情も性欲もない、それが私なんだ。これからずっと一人でも生きていけるし、寂しいとも思わない」と家族の前で言い放ちました。

翌朝になり、食卓を囲む佳純たち。昨日からの件で気まずい空気が流れています。すると父親が、自分のやりたいことをしたいから仕事を辞めるんだと明るく衝撃的なことを言い放ちました。その突拍子もない発言は気まずさを打ち消し、家族で笑い合います。

その後、佳純は真帆の結婚式でチェロを演奏しました。佳純はこれっきりで音楽を辞めることを父親に宣言、新たなスタートを切ることとなります。

佳純の職場に天藤(北村匠海)という男が入ってきました。やがて天藤に誘われ映画を見に行く佳純は、思い切ってなぜ自分を誘ったのか尋ね、自分は恋愛が無理なことを天藤に伝えます。すると天藤は、佳純が作ったシンデレラを見たことを伝え、素直に嬉しいと思ったと佳純に話します。

自分と同じことを考える人がいる、それが嬉しかったのだと話す天藤を、佳純は驚いた顔で見てています。佳純にとって新しい何かが始まりそうです。

以上、映画「そばかす」のあらすじと結末でした。

Leave a Comment