映画「恐怖の報酬」ネタバレあらすじ結末と感想

恐怖の報酬の紹介:1977年アメリカ映画。南米の町に流れ着いた4人の犯罪者がわずかな衝撃で爆発するダイナマイトを密林の中、トラックで運搬する。フランス映画『恐怖の報酬』のリメイクだが、オリジナルを越える傑作と評価する声も多い。アメリカでの興行的失敗のせいで北米以外では監督に無断で再編集された92分の短縮版で公開された。しかし、監督自身の尽力により2013年のヴェネツィア映画祭で121分の「恐怖の報酬 オリジナル完全版」が上映される。同じ版が日本でも2018年についに公開された。
監督:ウィリアム・フリードキン 出演者:ロイ・シャイダー(ジャッキー・スキャンロン“ドミンゲス”)、ブルーノ・クレメル(ヴィクトル・マンゾン“セラーノ”)、フランシスコ・ラバル(二―ロ)、アミドゥ(カッセム“マルティネス”)、ラモン・ビエリ(コーレット)その他

映画「恐怖の報酬」解説

この解説記事には映画「恐怖の報酬」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

メキシコのベラクルス。広場を見下ろすホテルの一室で男が玄関から入って来たサングラスに帽子の初老の男によって射殺される。その男、殺し屋ニーロはエレベーターで階下に降りてホテルを去る。

エルサレムではアラブ系の3人の若者がバスに乗る。しかしバッグを一つ銀行の前に置き忘れたままだ。バスが出発して間もなく、バッグの中の爆弾が爆発し大惨事となる。若者たちはアジトで逃走の相談をするが、早くも軍の特殊部隊がアジトに突入する。カッセムただ一人が逃げのびて群衆の中に紛れる。

 パリに住む投資家のマンゾンは、妻から結婚十周年記念の腕時計をもらった日、証券取引所の頭取から不正取引を追及される。告発までに24時間の猶予を得たマンゾンは、名家の出である共同事業者に、彼の父に損失金を補償してもらうよう交渉しろと要求するが、高級レストランで妻と妻の友人と食事をしているマンゾンをレストランの外に呼び出した共同事業者は、父から自分の責任は自分で取れと突き放されたことを告げ、車中で拳銃自殺する。マンゾンは妻宛ての言づてをレストランの支配人に託して逃亡生活に入った。

ニュージャージー州エリザベスではスキャンロンたち4人の男が、ビンゴ開催中のカトリック教会に入り売上金を強奪するが、その際一味の一人が一人の神父を撃ってしまう。その神父の兄がマフィアのボス、カルロ・リッチであるとは彼らは知らなかった。自動車で逃走中に神父を撃った男とそのことを批判する男の間でもめ事になったせいで、スキャンロンは運転を誤って大型トレーラーに自動車を衝突させ、かろうじて彼だけがその場を去って生き延びる。しかしリッチはスキャンロンの抹殺を命じていた。スキャンロンは友人ヴィニーの手引きで海外に逃げることになる。

南米、ポルヴェニール。この密林に囲まれた町にカッセムはマルティネスと、マンゾンはセラーノと、スキャンロンはドミンゲスとそれぞれ名を変えて住みつき極貧生活を送っていた。出国に必要な偽造旅券は高額すぎて彼らには手が出なかった。そしてドミンゲスが働く空港に二―ロが飛行機から降り立ち、マナグアに行く途中だと言いながら入国管理の役人に賄賂を渡してこの国に入国した。

ある日、奥地にある油田で反政府ゲリラが大爆発事故を起こし、多数の犠牲者が出る。消火するには大きな爆風を起こすしかない。だが、爆風を起こすために使うダイナマイトは管理のまずさから、わずかの揺れで爆発する状態だった。熟練したドライバーが必要だ。石油会社の担当者であるコーレットは運転希望者を募り、運転技術を試した結果、セラーノ、スキャンロン、マルティネス、そしてマルティネスの友人のナチス残党らしいマルケスという老人を選ぶ。二人一組で2台のトラックでダイナマイトを運ぶ。報酬として彼らは多額の金と新しい身分証が得られるが、死の可能性も高い。4人はトラックを整備して出発に備える。
だが、出発時間にマルケスだけが現れない。マルティネスはマルケスが自室で殺されているのを発見する。一部始終を見ていた二―ロが殺したのに違いない。マルティネスが彼を「シオニスト」とののしるが、ニーロがマルケスの代わりを買って出て認められる。ドミンゲスと二―ロが1台目のトラックで出発し、15分遅れてマルティネスとセラーノが出発する。

トラックはでこぼこの道や、かろうじて通れる峠を進む。セラーノは丸太で作った橋にドミンゲスの「幸運を祈る」というメモを見つける。セラーノが誘導しマルティネスが運転し、一度は木の間にタイヤが挟まるも、何とか橋を渡り切る。だが次に、豪雨の中、吊り橋を渡らなければならない。かろうじて吊り橋を渡ったドミンゲスはセラーノたちは渡れないと言う。だが、セラーノとマルティネスは水嵩を増した川を流れてきた流木に邪魔されながらも、吊り橋が落ちる前に橋を渡り切る。

しかし、密林の中でドミンゲスとニーロは巨大な倒木によって道を遮られる。ニーロはあきらめドミンゲスは周囲の草木を刈って道を作ろうと絶望的な試みをする。しかし、そこへマルティネスとセラーノが追い付き、マルティネスが打開策を見つける。彼の指示で皆が協力して石、ひも、砂の入った袋、一箱のダイナマイトで時限爆弾を作り、倒木を破壊する。

希望が芽生えたマルティネスとセラーノはパリの話をするが、その時タイヤがパンクしトラックは崖に落ちて爆発する。後続するドミゲンスが爆発現場を確認する時、トラックは反政府ゲリラたちに囲まれる。ニーロが隙を見つけて発砲し、その場のゲリラたちは皆殺しになるが、ニーロも致命傷を負う。マグアナに行って女を買うと言う二―ロ。しかし、自分の死を悟ってドミンゲスに代わりに買えと言う。幻想とフラッシュバックに苦しめながら一人生き残ったドミンゲスがトラックを進めるが、岩だらけの場所でトラックは動かかなくなる。最後に彼は腕で箱を抱えてダイナマイトを目的地の油田に運んだ。

ドミンゲスは町に帰還し、行きつけのバーに入る。報酬と新しいパスポートを得る。コーレットにマナグアが君向けの町だと言われるが、ドミゲンスは気乗りしない。彼は掃除の女性とダンスを始める。その時、カルロ・リッチの放った殺し屋がスキャンロン(ドミンゲス)の友人のヴィニーをともなって自動車から降りてバーに入る…。

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