映画「無頼」ネタバレあらすじ結末と感想

無頼の紹介:2020年日本映画。元EXILEのパフォーマー、マツこと松本利夫が暴力社会で生きるヤクザの正治役を演じています。監督は「岸和田少年愚連隊」や「パッチギ」などで有名な井筒和幸です。監督らしい無骨な男の生涯を描いています。
監督:井筒和幸 出演:松本利夫(井藤正治)、柳ゆり菜(佳奈)、中村達也(井藤孝)、ラサール石井(橘)、小木茂光(川野)、升毅(谷山)、木下ほうか(中野俊秋)、ほか

映画「無頼」解説

この解説記事には映画「無頼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

母を亡くし、飲んだくれの父と兄二人と暮らす井藤正治(松本利夫)。親代わりだった兄二人が家を出てからは、変わらず飲んだくれている父に我慢できず、家を出ていきます。

なんとか日雇いで食いつなぎ、その日暮らしをしていると、父が亡くなったことを伝え聞きます。兄二人の行方も分からず、頼る者がいなくなってしまいました。荒くれてしまった正治は高校生を恐喝し、鑑別所に送られてしまいます。

時は流れますが、正治は相変わらずな暮らしです。ヤクザとつるみ問題を起こしては刑務所に送られます。何度か頑張って生きなきゃと思い直すも、出所後すぐにヤクザと問題を起こし、2度目の刑務所送りになりました。

1972年、高度経済成長期を迎え、景気が上向きになった頃、正治は出所します。正治はその後、兄の孝(中村達也)と再会を果たします。孝の働きかけで若松組組長の川野(小木茂光)と出会い、親子の盃を交わします。若松組直系の川野組の子分となった正治は、自分の組を持つほど力をつけていきました。

ある日、ホステスの佳奈(柳ゆり菜)と出会い一目惚れした正治は、佳奈の気を必死で引こうとします。佳奈もまた男気のある正治に惹かれていきました。若い時に苦労したという互いの境遇もあってか、やがて意気投合し付き合うことになりました。

しかし、敵対する組のタレコミがあり、正治はまたしても逮捕されてしまいました。佳奈は何度も接見にやってきます。そして出所まで待ってくれました。

親子の盃を交わした川野が、兄貴格だった橘(ラサール石井)との抗争の末、殺されてしまいます。川野を失い、一本立ちすることになり自分の組を持つようになった正治でしたが、組をやっていく資金がなく、困り果ててしまいます。

そこで、刑務所で知り合った若松組直系井坂組組長の井坂と兄弟の盃を交わすことにします。井坂組の仕事も多くこなし順調に見えた正治でしたが、8回目の懲役をくらい、また刑務所へ行くことになりました。

数年後、出所した正治は佳奈と籍を入れ、幸せに暮らします。その後、兄貴分の井坂が引退を決意したことで、正治が若松組の直系として昇格することになりました。

若松組の組長に新しく谷山(升毅)が就任することが発表されると、それをよく思わない直系の組長達が、別組織の和合会を結成し谷山を暗殺してしまいます。報復を決意した正治は、和合会との全面戦争を決めました。多くの負傷者が出てしまいます。

昭和の時代が終わり、ヤクザも形を変えていきます。正治の組も不動産や証券会社を配下に置く、経済ヤクザとして大きくなっていくのでした。1992年に施行された暴力団対策法により、暴力団は一気に衰退していきます。正治の子分たちもそれぞれの道を選び、先へと進んでいきます。正治はこれまでを振り返り、何をしてきたのか疑問に思うようになりました。

病で兄の孝を失い、時は過ぎました。60歳になった正治を井藤組の記念パーティーとして盛大に祝います。苦楽をともにした面々が揃い、皆笑顔です。色々な思いを巡らせ、やがて何かを決意したかに見えた正治は、井藤組の解散を決めるのでした。

以上、映画「無頼」のあらすじと結末でした。

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