映画「幕間」ネタバレあらすじ結末と感想

幕間の紹介:1924年フランス映画。エリック・サティが作曲したバレエ『本日休演』の第一幕と第二幕の間に上映された、正に「幕間」のアート映画。ストーリーもシナリオも存在せず、断片的な映像が次々と現れる。また美術家マルセル・デュシャンや写真家マン・レイ、画家フランシス・ピカビアなど、時代を象徴する顔ぶれが登場するところも見所のひとつ。監督を務めるのは、フランス映画の巨匠ルネ・クレール。
監督:ルネ・クレール 出演者:ジャン・ボルラン(チロリアンハットをかぶったハンター)、インゲ・フリス(ダンサー)、マン・レイ(チェスのプレイヤー)、マルセル・デュシャン(チェスのプレイヤー)、フランシス・ピカビア(大砲を積んでいる男)ほか

映画「幕間」解説

この解説記事には映画「幕間」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

舞台は1920年代のフランス。大砲がぐるぐると動いています。あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。すると大砲の両隣から、2人の男が現れました。男達は大砲に飛びつき、何やら口論している様子です。

2人の間で結論が出たのか、大砲に弾が込められました。男達は飛び跳ねるように大砲のそばから離れます。すぐに大砲から砲弾が飛び出しました。狙うはシャンゼリゼ通りです。

街の風景がぐるりぐるりと回っています。奇妙な3体の人形が現れました。人形の頭は風船のようになっていて、膨らんだり萎んだりを繰り返しています。人形と、バレエを踊るダンサーの映像が交互に現れます。

くるくる回るダンサーのスカートの中を見上げるような視点です。普段は決して見えない下着が見えています。ダンサーの顔は見えません。

パリの街を見下ろす屋上で、2人の男がチェスに熱中しています。いつの間にか大量の水が降り注ぎ、チェス盤はすっかり傾いてしまいました。屋根の上を紙で作った船が飛んでいきます。

またダンサーが現れました。今度はゆっくり顔が見えます。その正体は、髭がもじゃもじゃと生えた男でした。しかしすぐに美しい女の顔に変わります。清い水の流れに、男の鋭い眼差しが映ります。

チロリアンハットをかぶったハンターが、屋根の上で銃を構えています。ハンターは噴き上がる水の上で踊る物体を狙っていました。物体は分裂し、ハンターを驚かせます。ハンターが引き金を引き、鳴り響く発砲音。被弾した物体は1羽の鳥に変わりました。

鳥は羽ばたき、ハンターの帽子に止まります。すると今度はスーツを着たハンターが現れました。発砲音の後、チロリアンハットをかぶったハンターは屋上から落ちてしまいます。

葬儀が執り行われ、参列者は鎮痛な面持ちで霊柩車の後ろに並びました。車を挽くのは馬ではなくラクダです。ラクダが進み始めると、参列者はまるでスキップするように追いかけます。大きな歩幅で、跳ねるようについていく参列者。やがて一行は広場に到着します。

すると霊柩車がラクダから離れ、柩を乗せたまま暴走を始めてしまいました。参列者は慌てて追いかけますが、どんなに必死に走っても追いつけません。どんどん加速する霊柩車と、道路を走る車窓の景色、ジェットコースターの映像が交錯します。

やがて柩が振り落とされました。参列者が駆け寄ると、柩が開いて中からタキシードを着た男が現れます。彼は杖を軽く振り、集まった人々を1人ずつ消していきました。最後に男自身も消え、「FIN」と書かれた幕が出て来ます。

するとその幕を突き破って男が登場しました。彼は転んで倒れていた男の頭を蹴り、また幕の中に戻っていきます。「FIN」の文字が再生され、この映画は終わりを迎えます。

以上、映画「幕間」のあらすじと結末でした。

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