映画「離ればなれになっても」ネタバレあらすじ結末と感想

離ればなれになってもの紹介:2020年イタリア映画。1982年、ローマ。16歳のジュリオ、パオロ、そしてリッカルドは青春の日々を過ごしていた。そんなある日、パオロは同級生のジェンマと恋に落ちる。ところが突然、ジェンマは母親を病気で亡くしナポリの伯母の家へ引き取られることに。時は経ち1989年。弁護士、教師、役者と、社会への一歩を踏み出した3人の男たちは、別人のように変わってしまったジェンマと再会する。自由を求めて生きるジェンマと、彼女にそれぞれ異なる形の愛を捧げる3人の男たち。彼らの輝かしい約40年間の追憶の日々を描く。
監督:ガブリエレ・ムッチーノ 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(ジュリオ)、ミカエラ・ラマッツォッティ(ジェンマ)、キム・ロッシ・スチュアート(パオロ)、クラウディオ・サンタマリア(リッカルド)、ニコレッタ・ロマノフ(マルゲリータ)、アルマ・ノース(思春期のジェンマ)、フランチェスコ・チェントラーメ(思春期のジュリオ)、アンドレア・ピットリーノ(思春期のパオロ)、マッテーオ・デ・ボーノ(思春期のリッカルド)ほか

映画「離ればなれになっても」解説

この解説記事には映画「離ればなれになっても」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

1982年、ローマ。
16歳のリッカルドは過激なデモに巻き込まれ大けがをしてしまいます。たまたま近くに居合わせたパオロとリッカルドに助けられ命に別条はありませんでした。このことをきっかけに3人は意気投合。切っても切れない友情が芽生え、笑いの絶えない毎日を過ごしていました。やがてパオロは同級生のジェンマと恋に落ち、4人になった仲間同士でいつも一緒にいました。

そんな中、病気がちだったジェンマの母親が突然他界し、ジェンマは伯母がいるナポリへ引っ越してしまいます。次第にジェンマからの便りは来なくなっていきました。

1989年。
ジュリオは学校を卒業して弁護士になっていました。パオロは文学部を卒業して臨時教員に、リッカルドは役者兼映画ライターと、それぞれ社会に向けて新しい一歩を踏み出していました。

一方で、ジェンマはナポリで出会ったヌンツィオと暮らしていましたが、お金と薬にまみれた生活は幸せではありませんでした。そんな暮らしに嫌気がさしたジェンマはナポリから逃げ、ローマでパオロの家に転がり込むことにしました。

リッカルドは映画の現場で出会ったアンナと結婚し、みんなで結婚を祝いました。しかし、この日からジェンマとジュリオは惹かれ合い、パオロに内緒で2人きりで会うようになります。やがてパオロも知ることとなり、4人の友情に亀裂が入ってしまいました。ジェンマはパオロと別れ、ジュリオと暮らすことになりました。

1993年。
ジュリオは国選弁護人として貧困者の弁護や支援をしていました。しかし、彼の能力を買われて高額な報酬で高名なノビリ弁護士事務所に誘われ、縁があり悪徳代議士セルジョ・アンジェルッチの顧問弁護士になることに。リッカルドは、家賃を滞納するほど困窮していましたが、アンナとの間に愛息アルトゥーロが誕生します。久々に4人顔を合わせましたが、パオロはジュリオとジェンマを赦せずにいました。

仕事で時間と精神をすり減らしていたジュリオは次第にジェンマとすれ違うようになります。そんな中、アンジェルッチの娘マルゲリータとの距離が縮まっていき、ジェンマと別れることにしました。

1997年。
ジュリオはマルゲリータと結婚しました。もう4人で集まることはなくなっていました。パオロは長年の夢である公立高校の常勤講師に採用されましたが、ジェンマ以来心から愛する人はできませんでした。

一方、リッカルドは妻アンナが生活苦を理由にアルトゥーロを連れて出ていってしまいました。リッカルドとパオロの親交だけは続いており、パオロはリッカルドのヤケ酒に付き合いました。その夜、2人は偶然ジェンマと会います。リッカルドはジェンマの近況を知り、優しく寄り添いましたが、パオロは逃げるように帰ってしまいました。

2000年。
時代は移り変わっていきます。ジュリオの妻マルゲリータは彼の子を身ごもりますが、夫婦の仲は冷めきっていました。リッカルドは会話も笑顔もない生活を息苦しく感じていました。
リッカルドはアルトゥーロに会うことができず、養育費の支払いも苦しくなり実家に戻ることにしました。パオロは新しい女性と出会っても、なかなか前進できずにいました。

3人はそれぞれの人生を歩みながら2001年9月11日を迎えました。
ジュリオには娘ズヴェーヴァが誕生していましたが、義父から引き継いだ会社経営に頭を抱えていました。リッカルドは息子も財産もない状況に目を背け、国を変えようと選挙に出馬するも落選してしまいます。

2009年。
ジュリオは相変らずの夫婦仲ではありながら、娘の存在に助けられていました。リッカルドはアルトゥーロの16歳の誕生日にお祝いを伝えたくて、電車でピアチェンツァへ向かいましたが、モニカに門前払いされてしまいます。アルトゥーロからも冷ややかに拒絶されたリッカルドはすっかり肩を落として帰りました。ところがその帰り道、駅で偶然にもジュリオと再会しました。胸が熱くなった2人は電話番号を交換し後日会う約束をしました。

ジュリオが帰宅すると、ズヴェーヴァが部屋で泣きじゃくっていました。母マルゲリータが浮気をしていると言うのです。ジュリオはそんな妻に怒りの感情すら沸いてきませんでした。パオロはある日、バスの中でジェンマと再会を果たします。レオナルドという息子が一緒でした。ジェンマはオペラ座のカフェで働いているとのこと。パオロはジェンマとレオナルドと3人で会うようになりました。

そして現在。
成長したジュリオの娘ズヴェーヴァは両親に反抗的な態度を取るようになっていました。ジュリオはそんなズヴェーヴァを連れて、自分が18歳まで過ごした思い出の家へ行きました。住人は快く2人を招き入れてくれ、ジュリオは1つ1つの部屋をズヴェーヴァに紹介しました。当時の記憶と様々な想いが蘇ったジュリオ。その時、リッカルドからの電話が鳴りました。

後日、ジュリオが待ち合わせの店に行くとそこにはパオロの姿もありました。はじめは緊張の面持ちだったパオロとジュリオでしたが、互いに話していくことで会えなかったこれまでの時間は埋まっていき、すぐ昔の3人へ戻っていきました。幸福な時間はあっと言う間に過ぎ、パオロは自宅で口直しのコーヒーに2人を誘いました。

そこにはもうひとつサプライズがありました。パオロの自宅で迎え入れてくれたのはジェンマだったのです。パオロはジェンマと暮らしていました。久々に4人が揃いました。

大晦日、リッカルドはパオロの自宅で年越しパーティを行っていました。そこにはアルトゥーロもいます。ジュリオは家族で過ごす予定でしたが、結局抜け出して後から合流。ズヴェーヴァも一緒に来ました。

全員がテラスで盛大に打ち上げられた花火を見ながら、それぞれの幸せをかみしめていました。

以上、映画「離ればなれになっても」のあらすじと結末でした。

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